Let'sセルフメンテナンス! こくみん共済 coop のWebカルチャースクール Let'sセルフメンテナンス! こくみん共済 coop のWebカルチャースクール

人生100年時代、「すこやかであること」は誰もが望むところ。
すこやかなココロやカラダ、日々の豊かさを保つための、ちょっとした知識、
ちょっとした実践法。それらは、生きてゆく中で遭遇するかもしれない、
いざというときにも、思いがけず役立つかもしれません。
こくみん共済 coop のWebカルチャースクールは、
自分をメンテナンスするためのヒントを、シリーズでお届けします。

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すこやかなココロやカラダ、日々の豊かさを保つための、ちょっとした知識、ちょっとした実践法。それらは、生きてゆく中で遭遇するかもしれない、いざというときにも、思いがけず役立つかもしれません。
こくみん共済 coop のWebカルチャースクールは、自分をメンテナンスするためのヒントを、シリーズでお届けします。

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前編

「あんな怒り方しなければ……」
後悔しないためのアンガーマネジメント

「あんな怒り方しなければ……」後悔しないためのアンガーマネジメント

「アンガーマネジメント」とは、怒りをうまく扱うための心理教育トレーニングです。すぐカッとなって声を荒げてしまう。腹が立っていたのにごまかしてしまい、あとから怒りがこみ上げてくる。これは、どちらも怒りをコントロールできていない状態だといえます。アンガーマネジメントは、怒りっぽい人はもちろん、うまく怒れない人にも有効です。企業を中心にアンガーマネジメントの研修・講演を27年以上続けてきた戸田久実さんが、「正しい怒りの扱い方」を教えてくれます。前中後編3回シリーズです。

アドット・コミュニケーション株式会社
代表取締役

一般社団法人 日本アンガーマネジメント
協会理事

戸田 久実さん

立教大学文学部卒業後、株式会社服部セイコー(現 セイコーホールディングス株式会社)にて営業を担当。その後、転職先で社長秘書業務を経て、民間企業、官公庁の研修・講演の研修講師に。講師歴は27年。登壇数は4,000を超え、指導人数は20万人に及ぶ。対象は新入社員から管理職まで幅広く、相互信頼をベースにした「伝わるコミュニケーション」をテーマに「アンガーマネジメント」「アサーティブコミュニケーション」など多岐にわたる研修や講演を実施。2008年10月、アドット・コミュニケーション株式会社設立。

戸田久実 公式サイト

アメリカで生まれた、怒りとうまく付き合う手法

アンガーマネジメントとは、一体どういうものなのでしょうか。戸田さんは、「怒りの感情とうまく付き合うための感情理解教育プログラム」と説明します。
「アンガーマネジメントは、1970年代にアメリカで開発されました。プログラムが開発された当初は、社会的差別を受けている方のメンタルヘルストレーニングなどに使われていたんです」
それから、アンガーマネジメントは身近な人に暴力を働くドメスティックバイオレンス(DV)や、軽犯罪を犯した人に対する矯正プログラムとして実施されるようになったそうです。
「アメリカではカーッとなって物を壊してしまう、暴力行為をするなどの軽犯罪を犯した人に対して、アンガーマネジメントのトレーニングを受けることが裁判所命令として下されます。そのほか、アスリートのメンタルトレーニングや、ビジネスパーソンが仕事のパフォーマンスを上げる目的で受ける、といったこともあります」
アメリカでは50年ほどの歴史があるアンガーマネジメント。町の公民館のような施設でアンガーマネジメントのセッションがおこなわれ、近所の人が気軽に受けにくるくらい根付いています。でも、日本にアンガーマネジメントが入ってきたのは2008年で、日本アンガーマネジメント協会ができたのは2011年のこと。まだ歴史が浅いため、定着しているとは言えない状況です。

日本アンガーマネジメント協会が設立された当初から理事に就任している戸田さん。

「べき」から怒りが生まれてくる

アンガーマネジメントは「怒らないようにする方法」なのかと聞いたところ、そうではないという答えが。
「怒りを感じることも、怒りを表現することも、まったく悪いことではないんです。ここは、誤解されがちですね」
日本では、「人前で怒るのはみっともない」「怒るなんて大人げない」と家庭や学校の教育で言われることが多く、怒ってはいけないと思っている人が多いのだそうです。
「アンガーマネジメントは、怒らないためではなく、怒りで後悔しないためのトレーニングです。『あんなことで怒らなきゃよかった』『あんな言い方しなきゃよかった』、反対に『あのとき怒っておけばよかった』といった後悔をしないために、怒りをコントロールして自分の気持を伝える方法を学ぶ必要があります」
怒りとうまく付き合うためには、怒りとは何かを知ることが大事。怒りはどこから生まれてくるのでしょう。戸田さんは、怒りの原因は「その人のゆずれない価値観」だと言います。
「怒りは、自分の期待や理想が裏切られたときに生まれるんです。理想や期待を象徴するのが『べき』という言葉。自分は◯◯である『べき』と思っているのに、そうならなかったときに人は怒りの感情を抱きます」

怒りの原因は、人や出来事ではなく「自分の価値観」にあります。
先生からのアドバイス

「◯◯は当たり前」「◯◯って普通だよね」「◯◯して当然じゃない?」「◯◯って常識でしょう」……こうした言葉をよく使っている人は要注意です。そういう人は、ゆずれない価値観が多く、それに対するこだわりが強い可能性があります。万人にとっての「当たり前」は存在しないと思ったほうがよいでしょう。自分の当たり前は人の当たり前ではないかもしれない。そう思い直してみることが大事です。

怒りは氷山の一角。本当の感情は何だろう?

戸田さんは、「怒りは第二次感情である」という考え方について、氷山のイラストを用いて教えてくれました。
「表に出ている氷山が怒りだとすると、水面下にはさまざまな第一次感情が隠れているのです」
例えば、ある家庭で子どもが遅くまで帰ってこない。そのシチュエーションで、子どもが「ただいま〜」と帰ってくるなり親が「こんな時間まで何やってたの!!」と叱りつけたとします。これは一見怒っているように見えますが、その下には「事件に巻き込まれたのではと心配・不安」「連絡がとれなくて困る」「娘が離れていってしまうようで寂しい」など、さまざまな感情が潜んでいるのです。
「叱ることで注意を喚起したいという気持ちもあると思いますが、本当に伝えるべきは『心配だった』『不安だった』という気持ちのほう。怒りを感じたときは、何に対しての怒りなのかを一旦立ち止まって考えてみましょう」

もちろん第二次感情としての怒りだけでなく、純粋な怒りもあります。急に身体的な攻撃を加えられたり、暴言を吐かれたりしたときの、防御感情としての怒りです。
「そうした怒りに対しては、反射的に反応せずに6秒待ってください。なぜなら、どんなに強い怒りでもピークは長くて6秒と言われているからです」
怒りのピーク時に感情的に行動すると、取り返しのつかないことになる危険もあります。まずは6秒、待ってみましょう。

苦しみや悲しみ、寂しさなど怒りの奥底にある「本当の気持ち」に注意を向けてみる。


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