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人生100年時代、「すこやかであること」は誰もが望むところ。
すこやかなココロやカラダ、日々の豊かさを保つための、ちょっとした知識、
ちょっとした実践法。それらは、生きてゆく中で遭遇するかもしれない、
いざというときにも、思いがけず役立つかもしれません。
こくみん共済 coop のWebカルチャースクールは、
自分をメンテナンスするためのヒントを、シリーズでお届けします。

人生100年時代、「すこやかであること」は誰もが望むところ。
すこやかなココロやカラダ、日々の豊かさを保つための、ちょっとした知識、ちょっとした実践法。それらは、生きてゆく中で遭遇するかもしれない、いざというときにも、思いがけず役立つかもしれません。
こくみん共済 coop のWebカルチャースクールは、自分をメンテナンスするためのヒントを、シリーズでお届けします。

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前編

非常事態を生き抜くために
レジリエンスを高めよう

非常事態を生き抜くために レジリエンスを高めよう

レジリエンスとは、「何かあっても立ち直れる力」のことを指します。このレジリエンスが真価を発揮するのが、今回の新型コロナウイルス感染拡大のような非常事態です。レジリエンスが高い人や企業、地域、そして国は、こうした未曾有の危機にあっても、倒れることなく生き残ることができます。今回は、レジリエンス関連の著書がある環境ジャーナリストの枝廣淳子さんに、レジリエンスの概要や高め方、非常事態下でレジリエンスがどう働くかなどについてうかがいました。前中後編でお届けします。

環境ジャーナリスト、翻訳家
有限会社イーズ代表取締役

枝廣 淳子さん

1962年、京都府生まれ。東京大学大学院教育心理学専攻修士課程終了。2003年に有限会社イーズを設立。環境・エネルギー問題に関する講演、執筆、企業のCSRコンサルティングや異業種勉強会等の活動を通じて、地球環境の現状や国内外の動きを発信。持続可能な未来に向けて新しい経済や社会のあり方、幸福度、レジリエンス(しなやかな強さ)を高めるための考え方や事例を研究。「伝えること」で変化を創り、「つながり」と「対話」でしなやかに強く、幸せな未来の共創をめざす。『レジリエンスとは何か−何があっても折れないこころ、暮らし、地域、社会をつくる』など著書、翻訳書多数。

不確実な時代ほど、レジリエンスが必要とされる

「レジリエンス」は、もともと「復元」「反発性」「弾力性」といった現象や特性を指す物理学の用語でした。それが生態学の分野では、荒れた土壌から再び木や草が生えて環境や生態が回復する現象を指すようになり、心理学の分野では困難やつらい経験をした際に精神の健康が回復することを指すようになるなど発展していきました。さらに現在では、教育、子育て、防災、地域づくりなどの幅広い分野で使われる言葉になっています。
2015年にレジリエンスに関する本を出版した枝廣淳子さんは、レジリエンスを「外的な衝撃にも、ぽきっと折れてしまわず、しなやかに立ち直る強さ」だと説明します。このレジリエンスが、なぜ今注目を集めているのでしょうか。
「世界がますます不安定になり、不確実性が高まってきているからです。今回の新型コロナウイルスの感染拡大もそうですが、先を予測できないことが次々と起こる時代になってきた。そうすると、先回りして手を打っておくことができません。でも、何が起こっても立ち直れる力、つまりレジリエンスを個人や会社組織、地域などが身につけておけば、こうした状況でも生き抜くことができます」

30年近く、環境問題について情報発信を続けてきた枝廣さん。
生態系について学ぶなかで、レジリエンスの重要性を実感したそうです。

レジリエンスを構成する3つの要素とは

レジリエンスについては1970年代から研究が行われており、2010年代からは爆発的に論文や文献が増え、研究が盛り上がっています。枝廣さんは、「これら研究のなかで、レジリエンスを構成する主要な要素が3つ浮かび上がってきた」と言います。その3つとは、「多様性」「モジュール性」「密接なフィードバック」です。まず、1つ目の多様性について。
「英語のことわざで、“Don't put all your eggs in one basket.(すべての卵を一つのかごに入れるな)”というものがあります。一つのかごに入れていると、そのかごに衝撃が加わったら全部の卵がダメになってしまう。個人の生活に当てはめると、収入源や食料の入手先などを一つに頼っていると、そこがダメになったときに生活が成り立たなくなります。そうならないよう、分散させておくことがレジリエンスを高めることにつながります」
では、2つ目のモジュール性とは?
「いざというときに自分たちを全体から切り離して自立できることは、レジリエンスにつながります。国のレジリエンスでいうと、普段は食料やエネルギーを輸入していたとしても、いざというときに国内でまかなうことができるか。できる国は強いですよね」
3つ目に大事なのは「密接なフィードバック」です。
「これは、システムのある部分に起こる変化を、他の部分が感じて反応する速さと強さがあるか、ということ。『何かがおかしい』と感じたときに、そのシグナルや情報をいち早く捉えて、必要なところにちゃんと伝える。対応して迅速に変化する。その仕組みがあれば、変化に適応して壊滅的な被害を免れることができます」

レジリエンスの3要素

  1. 多様性
    椅子の脚は多ければ多いほどいい
  2. モジュール性
    いざとなったら自分たちを切り離し自分たちだけで回せる
  3. 緊密なフィードバック
    前兆や危険視号を見逃さず迅速に、伝えるべきところに伝える
先生からのアドバイス

「レジリエンス」という単語を日本語で表現すると何か。内閣官房はナショナル・レジリエンスの訳として「国土強靭化」という言葉を使っていますが、「強靭化」はレジリエンスと少し違うのではないかと思います。たしかに「強靭」には「強くてしなやか」という意味がありますが、レジリエンスは何か一つを強くして高められるものではなく、さまざまな要素が影響しあって実現するシステムの特性であるからです。私が最もレジリエンスに近いと思う日本語は「ため(溜め)」です。何事もぎりぎりでやっていると「ため」がなくなってしまう。そうすると、なにかショックが加えられたらすぐ倒れてしまいます。でも、「ため」があれば踏ん張ることができる。ショックを吸収し、なくすことができる。システムとして「ため」があることが大事なのです。

あなたの家庭のレジリエンスは?チェックしてみよう

レジリエンスについて理解を深めるため、家庭を例に考えてみましょう。電気、ガス、水道などのインフラが災害などで止まってしまったとき、あなたの家はどうなりますか?また、近所のスーパーやコンビニに食料が入荷しなくなったとき、どうなるでしょうか。
「停電の際に、太陽光発電システムで発電できる、薪ストーブで部屋を暖められるといった選択肢がある家は強いですよね。食料が手に入らない場合、家庭菜園で野菜が採れる、田舎の実家から送ってもらえるといった、近所の店での購入以外の手段を持っている場合も生き抜くことができます」
資源の入手先に「多様性」をもつこと、そして家が切り離されても自立できる「モジュール性」をもつことが大事なんですね。また、いつもの入手先がダメになったとき、それに気づいてすぐ別の入手先にあたるなどの「密接なフィードバック」も必要だということがわかります。
「東日本大震災の後、物流や生産が麻痺したのを覚えていますでしょうか。震災前の物流や生産は、できるだけ在庫を持たない効率の良い仕組みを目指していました。『ため』がなかったのです。また、部品を安く仕入れるため、調達先を絞って1社に依存する企業も多かったと聞きます。そうして、少しずつレジリエンスが失われていったことが、長期間に渡る品薄の原因だと考えられます」


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