今月の「生きるヒント」

シリーズ 人生のチャレンジ 移住を選んだ人たち 第12回《後編》ミュージシャン 宮田誠さん

音楽に導かれ、音楽と共に生きてきた。これからも、精一杯の愛を込めて

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プロフィール
みやた・まこと/鹿児島県出身。北海道で過ごした少年時代、兄の影響で音楽に目覚め、バンドを組む。北海道のバンドコンテストで賞をとり感触を得て、高校卒業後に上京。仲間とのバンド「KUSUKUSU」が、当時人気だったバンドのオーディション番組で話題となり、20歳でメジャーデビュー、大ブレイクして一躍アイドル並みの人気者に。KUSUKUSU解散後はよりマイペースに音楽活動を続け、36歳でソロアルバムをリリース。東日本大震災を機に沖縄に移住。妻とのユニットhacomacoをはじめ、複数のバンドに参加しながら、ライブで全国をまわっている。

こんなに幸せなのに、お金はないぞ

― 世の中に対して思うことというのは、どんなことですか。

宮田さん :特に震災後は、「こんなことがあってもまだ、経済中心で進むのか」と思いましたよね。これほどまでに思い知らされるきっかけを与えられながら、みんな変わろうとしないのかと。自分に当てはめても、周囲を見ても、幸せと経済力は比例しないです。ときどき、「こんなに幸せなのに、どうして僕らはお金がないんだ」と思うくらい(笑)。

― あはは。「こんなにお金がないのに、どうして幸せなんだ」ではなくて?

宮田さん :そうそう、逆なんです(笑)。こんなに幸せなのに、お金はないぞって。ないからこそ、活力になってる部分もあるんでしょうけどね。お金目当ての人は寄ってこないし、泥棒も怖くないし、すごくラッキーですよね(笑)。

複数のバンドに参加しており、多いときは月の半分がライブだそう。

― お金じゃないと言い切れる宮田さんにとって、好きな音楽ができるということの中にある、最大の喜びってなんですか。

宮田さん :人のためになることだと思います。人が喜ぶ姿を見るとハッピーな気持ちになるじゃないですか。そこに自分が貢献できていると最高ですよね。僕の場合、手段は音楽なので、自分の音楽で、それができればなによりも嬉しいです。

夢に、目標に、精一杯の愛を込めて

自宅の一角が「南国楽器」の店舗。楽器や雑貨を販売している。

― 最高に幸せで、足りないものはないとのことですが、夢はありますか?

宮田さん :家族で世界旅行がしたいです。音楽の旅。

― おお!音楽の旅ですか。

宮田さん :知らない土地で演奏をするのが大好きです。外国だと、言葉ではなく音に反応してくれる人が集まるでしょう。音の波動に共鳴する人と出会いたいんです。奏でながら、次はこの町、あの町と、音楽に導かれて、旅から旅へ、流れてみたいです。大好きなブラジルとか、カリブ海のほうを周りたいなぁ。そう、妻とも話しています。

― そうですか。そこで、言葉を超えて、音楽で人を喜ばせたい。

宮田さん :はい。今も日本でそうしているように、精一杯の愛を込めてやり たいです。

― 精一杯の愛を込めて。すてきですね。

宮田さん :音楽の旅は、いつか実現させたいです。それから、こちらは夢というか人生の課題や目標のようなものですけど、ときどき思うんです。もしも余命1ヶ月と宣告されたとしたら、全身全霊で曲をつくりたいって。僕はギターもベースも、ドラムもパーカッションもやります。プレイヤーとしても、これからもっと頑張りたいですよ。だけど、人生をかけて、ということであれば作曲なんだろうと思うのです。

― もしも最後だとしたら、どんな曲をつくるのでしょうね。

宮田さん :誰にでもわかるような素直な曲をつくりたいし、そうなると思います。

― 精一杯の愛を込めて。

宮田さん :はい、精一杯の愛を込めて。

宮田誠さんの生きるヒント『できる限りの愛をもって接する』それが「縁」というものなのでしょうけど、人生に素敵なことが舞い込んでくることがあります。僕はいつも、そうした縁をいっぱい与えられているから、自分も与えられるように努めています。できる限りの愛をもって接していれば、きっと自分に返ってくるんですよね。ただ、返ってこなかったとしても、どこか別のところで注がれていればいいし、人生は、それでしかないと思います。音楽でも、自分の曲にいつか誰かが影響を受けて、その人がさらにいい曲をつくってくれたとしたら、こんな素晴らしいことはないです。そのほうが、今生で評価されるかどうかよりも僕には大事。地球上のあらゆる命と同じように、自分も、小さくても誰かにとって意味のある存在でありたい。だから、人にもものごとにも、できる限りの愛をもって接してゆきたいです。


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