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- そねはら・ひさし/長野県出身。NPO法人 えがおつなげて 代表理事。大学卒業後5年間、アルバイトをしながらミュージシャンとして過ごす。その後、金融機関を中心とした企業の経営コンサルタントを経て現職。バブル経済の最中、経営コンサルタント時代に山梨県白州町(現北杜市)に移住し、田畑を耕しながら地域おこしの活動を開始。都会から地元に続々人を呼び込むようになり、次第に全国で引っ張りだこに。2007年に内閣府地域活性伝道師に任命され、山梨大学客員准教授、山梨県立農業大学校講師のほか、経済産業省や農林水産省の各種委員などを歴任。
― なぜ山梨だったのでしょう。
曽根原さん :ビジネス的見地ですね。資源の豊富さに目をつけました。山梨は耕作放棄地も森林も日本有数。ミネラルウォーターの採水地としてや、日照時間の長さは日本一。移住当初は経営コンサルタントとして東京にクライアントを抱えていたから、日帰りできるくらいの距離も魅力でした。
― 耕作放棄地も資源。
曽根原さん :そりゃあもう、資源ですよ。荒廃した森林もしかり。農村は宝の山だ!…って、誰も聞く耳は持ちませんでしたけど、確信がありましたもん。
― いざ移住してみたらイメージが違っていたということはありませんでしたか?
曽根原さん :特にないですね。ひたすら楽しかった。耕作放棄地を取得して、毎日夜中の3時半に起きて耕すの。「開墾」ですよ。夢中になりましたね。妻には「開墾ばかりしてないで、仕事に行って」と言われました(笑)。
― 3時半に起きて…。
曽根原さん :面白いんですって。少しずつ空が白んできて、この時間になるとあの鳥が鳴くぞ、とかね、味わいながら開墾、開墾!最終的にひとりで2ヘクタール開墾しました。有機栽培を行うには、それくらいが限界の広さらしいです。
― 2ヘクタール…!だけど、そんなに農作業にはまっていらしたら、経営コンサルティングで東京に行くのが嫌になりませんでしたか?
曽根原さん :それもないですね。私はもともと、「両極」っていうのが好きなんです。振れ幅が大きくないと退屈になっちゃう性分で。ずっと一ヵ所にいるより動いているほうが刺激的で合ってます。
― 奥様は、目が回っていませんか(笑)?
曽根原さん :私は自分が変人だと自覚していますから、結婚なんて絶対に無理だと思っていました。こんな男と一緒にいたら、ふつうなら気が狂いそうになると思いますよ。だから妻は、よほどの「変人好み」だったんでしょうね(笑)。彼女と出会ったのは奇跡ですね。
― 現在、曽根原さんが代表を務めるNPOえがおつなげて では、いろんな企業の社員さんを農作業に駆り出していますね。
曽根原さん :そうそう、みんな、やり始めるとはまっちゃうんですよね、これが。
― 開墾の魅力に…?
曽根原さん :やってみるとわかりますよ。ひとつには、都会のストレスの解消、デトックス効果がある。ふたつめは、開墾した土地を振り返ったときのお殿様気分!征服したというか、平定したような気分で眺めながら飲むビールは最高です。それにね、もくもくとやっていると、細胞分裂して生まれ変わったような感覚が味わえるんですよ。
クリエイティビティはそんなときにはじけ出す!パソコンの前だけで仕事してるよりはるかにいい。そしてそして最後に、畑でできたおいしいものがついてくるでしょ。悪いことなし!開墾モリモリ~!
― ハハハ…!だから都会の、大企業との協働が次々実現しているんですね。
曽根原さん :そうそう、「企業ファーム」ね。三菱地所に博報堂。クリエイティビティが活性化するんだから企業にとってメリットですよ。
― そんな曽根原さんの次なる夢はなんでしょう。
曽根原さん :やりたいことはいろいろあります、今、ニートと呼ばれているような人たちを元気にしたい。農村だと可能性がありますからね。それから、農村の人手不足やPR力のなさと、都市の企業の社会貢献活動や福利厚生、地域でのビジネスのニーズを掛け合わせて協働する「一村一社運動」の全国展開。あとは本格的な音楽ライブかな。どれも実現は見えてきていますよ!
― 曽根原さんの、その“実現力”は、本当にすごいです。
曽根原さん :あのね、よく、「悩みではなく課題にせよ」って言うんです。例えば移住を迷っている人は悩んでいる。その多くは、収入のことや、家族のことですね。悩みを課題としてとらえなおしたら、対策が打ちやすくなります。課題に対して何をすべきか、自分には何ができるか、自分の資源を棚卸ししていくと、実現への道が開けますよ。ときどき、「自分には資源がない」なんて言う人がいますが、そんなことはない。どんな経験も資源だし、経験がない若者なら、若いだけでも資源ですからね。
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