こどもに、こどもと、手作りしよう!

子どものために作るもの、子どもと一緒に作るもの。作る過程も思い出になるいろいろを、毎月ご紹介します。ぜひご一緒に、見て作ってお楽しみください。

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刺繍風?
簡単な補修や飾りつけに!
ダーニングのやり方をご紹介

穴を開けてしまったり擦れて薄くなってしまったり、元気いっぱいな子どもの服はすぐに傷んでしまいますね。イギリスの伝統的な補修方法「ダーニング」で素敵によみがえらせてみませんか。刺繍模様と見紛う仕上がりは、大人の衣類にももちろんおすすめです。

野口 光さん

武蔵野美術大学卒業後イギリスにテキスタイルデザインを勉強に留学。1985年からロンドンにてデザインブランドhikaru noguchiを主宰。近年イギリスのダーニング繕い文化を日本の紹介し、ダーニング関連の執筆、指導など精力的に活動をしている。ダーニングマッシュルーム、資材の販売はhikaru noguchi darning より。

今月の先生
用意するもの
  • 傷んだ衣類
  • 針(糸の太さに合ったもの)
  • ハサミ
  • おたまもしくはダーニングマッシュルーム
  • ヘアゴム

※糸は、手縫い糸、ミシン糸、刺繍糸、刺し子糸、しつけ糸、モヘアの毛糸など幅広く使えます。

所要時間
15分〜(基本のダーニング)
難易度
★ ★ ☆(「ボタン付けの延長」くらいの感覚です)
ここがオススメ
大切なものを慈しむ針仕事です。

基本のダーニング

さぁ作ろう!
1

おたま、もしくはダーニングマッシュルームを固定する

ダーニングマッシュルームはキノコ型の台です。針を進める作業が楽になります。補修する部分がダーニングマッシュルームの真ん中に来るように位置を合わせて、ヘアゴムで固定します。

今回はデニムのパンツに空いてしまった穴を補修します。
ズボンの裾からダーニングマッシュルームを入れ、ヘアゴムで固定します。
伸びのないデニム生地の場合はダーニングマッシュルームから少し浮かせるように調整します。セーターやソックスのような伸びのあるニット生地の場合は緩みのないようにします。
2

タテ糸を渡していく

穴より上下左右とも5mm大きな四角形をイメージして糸を渡していきます。穴の上下5mmのところにチャコペンで線を引いておくときれいにタテ糸を渡せます。糸は50cmほど(手首から肩の長さが目安)用意し、針に通します。端は切りっぱなしでOK。ダーニングマッシュルームは左手で握って支えます。

スタートは穴の右上5mmのところから。表から針を刺し、左に一針すくってまた表に出します。糸の端は10cmほど表に残しておきます。
次に穴の右下5mmのところに刺して、左に一針すくってまた表に出します。
この繰り返しでタテ糸が並んでいきます。タテ糸の間隔は糸1本分の太さくらい。穴の左5mmまで渡し終えたら、左上に糸を出した状態でタテ糸の作業は終わりです。
3

ヨコ糸を渡していく

タテ糸を渡し終えて左上に出したら、ヨコ糸を渡していきます。ヨコ糸は間隔をあけずに渡し、爪の先で糸を寄せながら織り目を詰めていきます。ぎっしりとした織り目に仕上がります。

ダーニングマッシュルームを180度返して、右から左へヨコ糸を渡していきます。針先を持ってタテ糸を1本おきにくぐらせていきます。
左端のタテ糸まできたら生地を1針すくい、ダーニングマッシュルームを180度返して次の段に進みます。先ほどと同じように右から左へとタテ糸をくぐらせながら、ヨコ糸を渡していきます。この繰り返しです。
ヨコ糸を変えるときには端まで行ってから次の糸にします。ここからはミシン糸を3本取りにしたものを使ってみます。糸の端は最初も最後も、表に10cmほど残します。
爪の先でヨコ糸を寄せて織り目を詰めながら進めていきます。
ヨコ糸を通し終えました。表には糸の端がたくさん出ています。また、四角形の左右にはヨコ糸が点々と連なっています。
4

糸の端を始末をして完成

ダーニングマッシュルームを外し、表に出た糸は生地の裏側で処理をします。

糸の余った部分に針を通して生地の裏側に出します。
裏側は点々と縫い目が連なっています。この縫い目に糸を5目ほどに通し、余計な部分をカットします。
これで完成です。かわいい四角形で穴がふさがりました。

三角形のダーニング

さぁ作ろう!

1カ所補修するだけだとかえって目立ってしまうことがあるので、別の場所にもダーニングを施して模様のようにします。今度は三角形のダーニングにしてみます。

三角形をイメージして、タテ糸を渡す長さを少しずつ狭めていきます。
ヨコ糸の渡し方、糸の端の処理は四角形の時と同じです。糸の端を処理したら、かわいい三角形の完成です。

ゴマシオダーニング

さぁ作ろう!

さらに別の箇所には、返し縫いを使ったダーニングを施します。縫い目が点々と並んだ様子から「ゴマシオ」と呼ばれる手法です。擦れて薄くなった生地の補強としても用いられます。

表に糸の端を10cmほど残し、右から左に1cmほど刺して、ゴマ粒大(1 - 2mm)戻り、また右から左に1cmほど進む。これを繰り返します。
表に出る縫い目は小さく、ごま1粒くらいのサイズで。すくうように少しだけ返して縫います。写真は2段目を縫い始めたところ。次の段を縫う時にはダーニングマッシュルームの向きを変えて、常に右から左へ針を進めていきます。
何段も重ねて、模様のようになってきました。補修で行う場合は、生地の傷みが隠れるまで繰り返します。
縫い終わったら生地の裏側に針を出します。裏側の縫い目の5目ほどに巻きつけ、針を抜いたら余分な部分をカットします。

完成

できあがり!

3つが集まり、まるで刺繍の模様を施したようになりました。今回はここでできあがりとします。

穴の空いた右の裾を中心に補修しましたが、さらに上の方やお尻側などいろんなところに散らせば、遊び心が生まれます。
先生の、コツを伝授!

複数のダーニングでデザインや模様のように見せることができます。その際、三角形(3カ所)を意識して配置すると、バランスが取れて座りが良く仕上がります。

アレンジ例
たくさんの色の糸を使ってカラフルに仕上げても楽しげですし、色数を抑えてシックにしても素敵です。糸の素材を変えれば風合いにも変化がつきます。生地と同色、同素材の糸を使って、目立たない補修をすることもできます。アイディアを生かして、思い思いにダーニングを楽しんでみてくださいね。

レポート:丸橋ユキ

『こどもに、こどもと、手作りしよう!』はこの回を持ちまして終了とさせていただきます。
一年を通して楽しめる、さまざまな“手作り”を紹介してまいりましたので、
ぜひこれからもページを開いてみてください。これまでありがとうございました!
過去分はこちらからご覧いただけます。


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