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2021/11/18
年末調整と確定申告の違いは?対象者・時期・控除について分かりやすく解説
更新⽇︓2023/10/20( 最新情報に基づき記事の内容を一部更新しました)
毎年11月から12月頃になると、働く方々の手元に年末調整の案内が届くようになります。
年末調整というと、提出書面がわかりにくく、記入方法も1年に1回の作業なので忘れてしまう、保険会社からのハガキ(保険料控除証明書)が一度に送られてくるので保管や提出漏れがないようにするのが面倒などの理由から、つい手続きを後回しにしたくなってしまいます。
では、なぜ年末調整をする必要があるのでしょうか?
年末調整の手続きを正しく行うと、私たちが1年間で払いすぎた所得税を還付してもらえるなど、お財布にも優しい効果があるのです。
今回は、年末調整の目的から得られるメリット、特に保障に加入している際に受けられる所得控除について、お話しいたします。
年末調整と確定申告との違い
年末調整と似たものとして確定申告があります。年末調整と確定申告はどちらとも、所得税を正しく計算し支払うために行う手続きです。年末調整は会社側が従業員に代わり手続きをしてくれるのに対し、確定申告は私たち個人が行うという違いがあります。
所得税は、その年の1月1日から12月31日までの間に得た全ての所得を、翌年の確定申告によって税務署へ申告し、納税する仕組みとなっています。 つまり、納税者であるサラリーマンも本来は確定申告が必要です。
しかし、サラリーマンや、パート、アルバイトの方であれば、原則は確定申告が不要で、代わりに年末調整を行います。
つまり、年末調整は確定申告の代わりに行うもの、という位置付けになります。
- ※以下の場合は、年末調整ではなく確定申告をしなければなりません。
- 副業での所得合計が20万円を超える場合
- 年収2,000万円を超える場合
- 2ヵ所以上から給与等を受けている場合
また、年末調整をしていても、確定申告をすることでお得になる場合もあります。
例えば、住宅ローンを組んだ最初の年や、医療費が10万円を超えた年、自宅財産が災害や盗難の被害に遭った、6つ以上の自治体にふるさと納税をした年などです。
このような年は、年末調整をしていたとしても確定申告をすることで、さらに税金が還付されます。
控除の意味と年末調整の目的
年末調整の書類を記入する際に戸惑うのが、「所得の記入欄」。
「収入と所得って一緒だと思っていたけど、違うの?」と疑問に感じたことはありませんか?
じつは、「収入」と「所得」は違います。何が違うのかというと、収入から必要経費をひいたものが、所得になるのです。収入はサラリーマンや、パート、アルバイトの方でいうなら税込年収にあたります。
では、必要経費は何のことをさすのでしょうか。自営業の方だと、仕入れや仕事に必要なものを買ったお金が経費になります。サラリーマンも、スーツを購入するなど、仕事にまつわる身の回りの雑費を自費で購入することがあります。それを見越して、収入額に応じて一定額を必要経費として差し引けるようにしているのです。このサラリーマンの必要経費に該当するものが「給与所得控除」といわれる控除です。
「収入」から給与所得控除を差し引いたあとの「所得」の金額に対して、何パーセントと税率をかけて1年分の所得税は計算されます。
税込年収-給与所得控除=所得
所得×税率=所得税
「所得」の金額を減らすことができれば、その分かける税率は低くなり、引かれる税金も少なくなります。そこで「所得」の金額を減らす方法として様々な控除があります。たとえば「所得控除」は15種類あり、年末調整では、個人や家族構成に応じて使える控除を申請することができます。代表的な控除といえば、基礎控除、配偶者控除などがあげられます。
毎月のお給料から天引きされている所得税は、あくまでも仮の税金額です。
「所得」から「所得控除」を差し引くことで、1年を通じて給与天引きされた所得税を払いすぎているならば、本来納税すべき所得税額を算出し直します。そこで過払い分の所得税があれば還付を受けることもできるのです。
つまり、年末時に本来納めるべき納税額に調整しなおすのが年末調整の目的となります。
年末調整をすることで得られるメリットとは?
年末調整のメリットは、一定の負担を税金面で戻せるようになっていることです。つまり、年末調整をすると概算で引かれていた税金の一部が戻ってくるということです。具体例をあげると、1年間を通じて、共済や保険に掛金を支払ってきた、住宅を購入して住宅ローンを組んだなど、ほかにも様々なケースがあります。
年末調整では正しい納税額に計算しなおすために、各種控除をつかいます。
控除は大きく分けて2つ、「所得控除」と「税額控除」があります。
控除の種類の内訳の例をあげますと、「所得控除」には配偶者控除、生命保険料控除など、「税額控除」には住宅ローンを組んで購入した方が購入後2年目からつかえる住宅ローン控除があります。
◆控除の種類
控除の種類 | 内容 | 例 |
---|---|---|
所得控除 | 税額を計算する前の所得から控除されるもの | 配偶者控除、ひとり親控除、生命保険料控除、雑損控除、医療費控除、寄附金控除等 |
税額控除 | 所得控除を差し引いた後の金額(課税所得金額)に、税率をかけて計算した税額から直接控除される | 住宅借入金等特別控除等 |
住宅ローン控除は「所得控除」を差し引いて計算された税額から、直接「税額控除」として差し引けるので、節税として、とても大きな効果があります。なかには1年分支払った所得税がほぼ全額戻ってくる方もいるほどです。
ご自身がその年に適用される該当の「所得控除」や「税額控除」を1年間の所得から差し引いたり、計算しなおすことで、1年間給与天引きされていた所得税の過払い分を戻せることが多く、これにより所得税の還付を受けられるケースがあるので、年末調整は、ぜひともやっておきましょう。
保障を充実させることに加え、節税にもつなげよう
ここでは実際に共済や保険などに加入していると、どのような控除を受けられるのか、比較的なじみ深い生命保険料控除を例にあげて、説明します。
ご自身やご家族の身に起こる万が一やリスクに備えて、保障を準備すると、保障のために支払った共済の掛金や保険料の一定額までを、生命保険料控除として年末調整時に申請することができるのです。
生命保険料控除の内訳は3つの区分があり、加入している保障の種類に応じて申請ができます。
生命保険料控除 | 対象となる共済・保険の一例 |
---|---|
一般の生命保険料 | 死亡保障・養老保険 |
介護医療保険料 | 医療保障・介護保障 |
個人年金保険料 | 個人年金保険 |
亡くなったときに遺される家族の生活を支えるための死亡保障に加入している方は「一般の生命保険料」。
病気やけが、介護に備えた医療保障や介護保障に加入している方は、「介護医療保険料」。
老後の生活費補填のために個人年金保険に加入している方は「個人年金保険料」。
これらすべての保障を準備している方は、3つの区分それぞれで申請ができるのです。
また、いつか起こりうる巨大地震に備えて地震保険に加入している方は「地震保険料控除」が申請できます。
なお、生命保険料控除や地震保険料控除は控除できる金額に上限がありますので、自分自身で記入しながら控除できる金額を計算します。
控除できる金額については、生命保険料控除の場合、新制度と旧制度で上限額が変わります。(契約締結日が平成24年1月1日以降のものから新制度での申請となります。
平成23年12月31日以前の契約締結日の方は旧制度となり、「介護医療保険料」の区分はないので、注意が必要です。)
共済や保険に加入することで必要な保障を充実させ、リスクを軽減し安心を高めることができます。それに加えて、納める税金をすこしでも節税できるならうれしいですね。
年末調整を始める時期
年末調整には時期が決まっているのでしょうか?
年末調整の対象となるのは、その年の1月1日から12月31日の期間の給与収入です。そのため、その年の最後の給与が支払われる12月に、会社は年末調整を行い、12月または1月支払の給与で還付もしくは追加徴収を行う流れが一般的です。
法律上、年末調整の最終期限は1月31日となっていますが、本来この期限は年末調整の記入漏れや訂正による再年末調整のための期限となっており、多くの会社では年末調整に必要な書類を10月末~12月上旬の時期に提出するよう社員に呼びかけています。
期限が迫ってギリギリの対応にならないように、早めに書類の準備をしておきましょう。
また、もしも年末調整の期限を過ぎてしまったときは、2月16日から3月15日までに個人で確定申告を行うことで対応できます。
こくみん共済 coop の組合員の皆さまへ
こくみん共済 coop では、こくみん共済や総合医療共済などが生命保険料控除、自然災害共済が地震保険料控除の対象となります。その他、保険料控除の対象となる共済のご案内や、共済掛金払込証明書の見方、保険料控除申告書の記入例などをホームページ上で紹介しております。
まとめ
年末調整は面倒だなと思いがちですが、仕組みを知ることでお財布にやさしいメリットがあります。また、普段なかなか意識しない保険や共済を見直す良い機会でもあります。こくみん共済 coop では今のあなたに必要な備えをシミュレーションすることができる「やさしい保障プランニング」を用意しています。ライフステージにあった保障のポイントを紹介していますので、ぜひこの機会にご活用ください。そして、ご自身やご家族が活用できる控除をもう一度確認して、年末調整を行いましょう。
病気やけが、事故など、万一のときに、何をどれだけ備えればいいのか
ご自身やご家族にあった必要な保障を見てみましょう。
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(初回掲載日:2019/12/2 更新日:2021/11/18)
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