2022/3/31

あおり運転による事故、保険や共済で補償される?

後方や左右から車間距離を極端に詰めたり、幅寄せをしたり、前方を走っている車が急ブレーキをかけるなどといった「あおり運転」。こうした危険な運転は大きな社会的問題として認知されてきています。
今回は、「あおり運転」に備える補償についてお伝えいたします。

Caution!

※1 本記事で記載する「あおり運転」における補償の説明は、交通事故の際、相手側の「故意」による事故であることが明確に判定され、なおかつ事故原因が相手側にのみある場合の事故に対する補償の説明となります。
※2 あおり運転による事故のほとんどは責任割合が争点となるため、確実に無過失事故になるということではありません。

あおり運転の罰則は?

2017年6月に東名高速道路上で、あおり運転によって停車させられた被害者夫婦が、後続の大型トラックに追突されて亡くなられるという痛ましい事故が起きました。この事故をきっかけに警察による取り締まりが強化され、2020年6月新たに道路交通法に妨害運転罪が設置され罰則が強化されました。

あおり運転には急ブレーキや進路(変更)妨害、追い越し等がありますが、例えばあおり運転のひとつである「車間距離保持義務違反」の取り締まり件数の推移をみると、件数は年々増加傾向にあり令和元年では1万5,065件と多くの危険運転が行われていることがわかります。件数の増加は取り締まりの強化の影響もありますが、あおり運転によるトラブルは身近に起こり得ることがわかります。

  • 警察庁:令和元年車間距離保持義務違反取り締まり件数の推移

あおり運転の被害者になってしまった場合の補償について

このような「あおり運転」に対する補償について、相手(加害者)からの補償と自分(被害者)が加入している補償がどのように適用されるか分けてみていきましょう。

◆相手(加害者)からの補償
まず、相手(加害者)からの補償についてです。悪質なあおり運転での追突事故※の場合、基本的に相手側の自動車補償では被害者側は補償されません。なぜなら、自動車補償には免責事項があり、運転者の「故意」による場合は補償の適用外とされるからです。
※運転者が故意に衝突させたことが前提となります。

自分(被害者)の被害 相手(加害者)からの補償
身体 ケガ、後遺障害、死亡等 ・基本的に補償されない
修理費用など

◆自分(被害者)が加入している補償
では次に、自分(被害者)が加入している補償はどうでしょうか。「人身傷害補償」や「車両補償」を付帯していれば、相手から賠償補償の有無や過失割合に関わらず、補償額の範囲内で損害額が補償されます。

自分(被害者)の被害 自分(契約者)からの補償
身体 ケガ、後遺障害、死亡等 人身傷害補償
修理費用など 車両補償

◆付帯しておくと安心な特約
自分自身で車の補償に加入しておくことの重要性がわかりますね。さらに、追加で付帯しておくと安心な特約について2つ紹介します。

①車両損害の無過失事故に関する特約
1つ目は「車両損害の無過失事故に関する特約」です。
事故にあった際、「自分が加入している補償を使ったら共済掛金が上がってしまうのでは?」と心配される方もいらっしゃると思います。
「人身傷害補償」は、補償を使っても等級は下がらない「ノーカウント事故」として扱われるので、翌年の共済掛金に影響はありませんが、「車両補償」は、基本的には使用すると翌年の等級が下がり、共済掛金は上がります。
そこで、「車両損害の無過失事故に関する特約」を付帯すれば、無過失事故で「車両補償」を使っても、ノーカウント事故として扱われるため、翌年の等級が下がらなくなります。

②「弁護士費用等補償特約」
2つ目は「弁護士費用等補償特約」です。
弁護士費用等補償特約とは、事故のトラブルを弁護士に相談した場合の費用や、訴訟費用をサポートする特約です。
実は、自分に過失が全くない事故の場合は、自分が契約している共済や保険会社に示談交渉を行ってもらうことはできません。その場合、被害者である自分自身もしくは弁護士を立てて交渉することとなりますが、あおり運転の危険性によっては、相手側の保険会社が交渉に対応しない可能性もあり、また加害者である相手と直接交渉しても、双方の対立によって難航する場合があります。そのため、弁護士に交渉を依頼した方がスムーズに解決まで進めてもらえるので安心です。
この特約を付帯しておくことで、弁護士に依頼した場合に要する費用を賄えるためおすすめです。

ドライブレコーダーはつけた方が良い?

ドライブレコーダーとは、運転中の車内・車外の様子を撮影・記録する装置のことです。補償に加え、ドライブレコーダーを搭載し「録画していますよ」とアピールすることは、あおり運転の抑止につながり、トラブルや危険から自分を守るためにも効果的です。また、「ドライブレコーダー録画中」といったステッカーを貼るなども効果的です。
また、ドライブレコーダーのデータは、もめ事になった際の客観的な証拠となります。仮に裁判になった時にもその記録が資料として役立ちますので、相手の主張に対して自分の正当性を訴えるためにも有効です。

実際に遭遇した場合の対処方法

いつどこであおり運転の被害にあうかは予測することはできません。補償やドライブレコーダーなどの事前の備えに加え、実際に遭遇した場合の対処方法を知っておきましょう。

  • 一般道路であれば駐車場、高速道路ではサービスエリアやパーキングエリアなど、
    人目のあるところに移動する。
  • 相手が追ってくることを想定しドアをロックして警察へ連絡。
  • 同乗者がいれば、走行中でもスマートフォンで対象となる車の動画撮影を頼む。

まとめ

事故の種類によっては相手側の補償があてにできないことがあります。事故に遭遇してからつらい思いをしないよう、自分自身で自動車補償に加入し、定期的に補償内容の確認と見直しをしておくことが大切です。

■マイカー共済をご検討のみなさまへ

マイカー共済の補償の詳細は、下記リンクよりご確認いただけます。記事で紹介した車両損害の無過失事故に関する特約や、弁護士費用等補償特約もありますので、ぜひご検討ください。

マイカー共済

■マイカー共済にご加入のみなさまへ

すでにマイカー共済にご加入の組合員のみなさまは、マイページより補償内容がいつでも確認できます。ぜひこの機会にご確認ください。
マイページの登録がまだの方は、下記リンクよりマイページの登録をおすすめします。

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