2019/12/16

インフルエンザ、ノロウイルスなどウイルスの家庭内感染を防ごう!わが家の予防対策法

更新⽇:2023/12/28( 最新情報に基づき記事の内容を一部更新しました)

いよいよ冬本番。インフルエンザやノロウイルスなどのウイルスが猛威を振るう季節がやってきました。元気に過ごせることが一番ですが、家族が発症したとしても、一家総倒れだけは阻止したいものです。そこで皆さんが実践しているウイルス感染予防策をご紹介します。さらに呼吸器内科の権威である、呼吸器内科・総合内科専門医の大谷義夫先生に、冬のウイルス感染予防策についてアドバイスをいただきました。

予防グッズやワクチンでウイルス感染予防へ

ウイルス感染予防の基本といえば、マスクと手洗いですが、皆さんはどのような感染予防策を取り入れているのでしょう。

感染予防策事例紹介

家族がインフルエンザにり患したら、洗面所やキッチンの共用タオルは使わず、マイタオル制にしています。さらに、アルコールスプレーを電気のスイッチやテーブルなど、みんながさわるものにこまめにスプレーしています。加湿器もフル稼働し、ときには濡れたバスタオルを干すこともあります。マスクは家族のサイズごとに充分に準備。娘が受験生なので、乳酸菌がインフルエンザ予防に効果があると聞いてからは、ヨーグルト飲料を毎日飲むようにしています。
(40代・15歳と12歳のママ)

感染予防策事例紹介

私は去年、はじめてインフルエンザにかかりました。ワクチン接種をしていたので重症にはなりませんでしたが、38度弱の熱が出て体がとてもだるかったです。下の子が1歳だったので、とりあえず私はマスクをして、お風呂は別々に入り、洗濯ものも別々に洗いました。子どもたちもワクチン接種をしていたからか、家庭内感染はありませんでした。
(30代・3歳と8歳のママ)

感染予防策事例紹介

娘が6歳のときノロウイルスにかかって、夜中に突然嘔吐しました。そのときはまさかノロウイルスだと思わず、手袋などをせずに嘔吐物を処理したら、今度は私が感染。以来、ノロウイルスの感染予防用に、次亜塩素酸ナトリウムの除菌スプレーと薄手の手袋は常備しています。
(40代・14歳のママ)

<大谷先生のアドバイス>

インフルエンザの主な感染経路は、飛沫感染と接触感染。感染予防を考えるときは、この2つを意識することが大切。マスク、加湿器、アルコールスプレー、マイタオル制は有効ですね。ただ、インフルエンザウイルスは、通常の洗濯・洗浄で除菌ができるので、家族が感染したからといって洗濯物や食器洗いを別にする必要はありません。
ただし、家族がノロウイルスに感染した場合は、嘔吐物などのついた洗濯物は必ず分けて洗濯しましょう。洗剤で下洗いしたあと、85℃で1分以上の熱水洗濯または次亜塩素酸ナトリウムの消毒が有効です。

感染者と距離をとってウイルス感染予防へ

つづいて、発症した家族を見守りながらも、距離をとって感染を予防したというエピソードをご紹介します。

距離をとって感染を予防した事例紹介

息子が7歳のとき、インフルエンザにかかりました。子ども部屋に隔離したうえで、家族みんなが手洗いなどを徹底したおかげか、家庭内感染はありませんでした。ただし、インフルエンザの薬を飲んでいると幻覚症状が出る子どももいると聞き、隔離中は窓の鍵をしめ、親は目を離さないようにしました。
(40代・12歳のパパ)

距離をとって感染を予防した事例紹介

息子が5歳のときにインフルエンザになり、生後4ヵ月の娘に感染するのが心配で、息子だけ別の部屋で過ごしてもらいました。食事場所も別、常にマスク着用などを徹底していたからか、他の家族が感染することはありませんでした。
(30代・8歳のママ)

<大谷先生のアドバイス>

よく誤解されていますが、子どもに幻覚がでるといわれるのは、抗インフルエンザ薬によるものではありません。幻覚などの症状は、インフルエンザそのものやインフルエンザ脳症によって起こることが分かっています。お子さんの病状が悪化したときには、目の届くところで看病するようにしましょう。飛沫と接触による感染に気をつけて、数メートルの距離をとり、触ったドアノブやテーブルなどをこまめにアルコール消毒することが大切です。

家族の感染を周りの協力で乗り切る

お子さんが感染したら看病する側も大変です。子育て世帯ならではのエピソードもありました。

子育て世帯の感染対策事例紹介

冬になると「○○小学校では〇年生で学級閉鎖になったらしい」といった情報が日々ママ友から回ってきて、ママの情報網はすごいと毎年感心します。うちの息子はなぜか隔年ペースでインフルエンザに感染するのですが、そういうときにはママ友が「大丈夫?必要なものがあったら買い物に行くから言ってね!」とメールをくれて、本当に心強いです。
(40代・13歳のママ)

子育て世帯の感染対策事例紹介

息子が6歳のとき、冬休み中に学童に通っていたところインフルエンザに。私と娘も感染してしまい、私の両親がサポートしてくれて助かりました。仕事をしているので、子どもが病気になったときは病児・病後児保育のお世話になっています。さらに、お守り代わりに地域の「ファミリーサポート」にも登録して、いろいろな方の助けを得ながら乗り切っています。
(50代・7歳と4歳のママ)

<大谷先生のアドバイス>

家族がインフルエンザになったとき、ウイルスが体内に入っても発症しにくい体にしておくことも大切です。
まずはワクチン接種。そして、睡眠時間をしっかりと確保すること。睡眠時間が6時間を切ると風邪をひきやすくなるという実験データもあります。最低でも6~7時間は寝るようにしましょう。
また、歯磨きやうがいをしっかりとして口の中を清潔に保っておくことも大切です。口の中の細菌が少ない方が、ウイルスが気道に入りにくいといわれています。

<大谷先生に聞きました>冬のウイルス感染対策正攻法

<大谷先生に聞きました>冬のウイルス感染対策正攻法

●インフルエンザワクチン接種は流行前に、家族みんなで

インフルエンザワクチンには、ウイルスが体内に入っても発症する可能性を下げる効果があります。家族みんなで接種していれば家庭内での発症率を下げることができますね。
インフルエンザは例年1月末から3月にピークを迎えますので、12月中に接種を終えておくとより安心です。

●予防的な投薬は、高齢者やハイリスク患者さんのみ

インフルエンザが発症したときに処方される抗インフルエンザ予防薬の中でも、タミフル、リレンザ、イナビルは予防投与が認められています。ただし、原則として、対象は同居している家族がインフルエンザを発症した65歳以上の高齢者やハイリスク患者(慢性呼吸器疾患、慢性心疾患、糖尿病などの基礎疾患がある患者、透析をしている患者)など、免疫力が低下している人が対象です。たまに「受験生だから処方してもらった」といった話も聞きますが、むやみに投薬することは薬剤耐性のウイルスの増加につながることを知っておきたいですね。

●冬になったら備えておきたい感染予防アイテム

・マスク
発症者がつけることで飛沫を防いでくれるので、ぜひ家族分たっぷりと用意しておきたいですね。また、つい手を口や鼻にもっていく癖のある人が多いのですが、マスクをつけていることでそれを防いで、接触感染の予防にもなります。

・アルコール除菌スプレー
手洗いは石けんを使って30秒、もしくはアルコール消毒のスプレーを使って15秒揉み込みましょう。私は帰宅の際、家の玄関ドアを開ける前にアルコール消毒しています。

・次亜塩素酸ナトリウム(塩素系の漂白剤)
感染力の強いノロウイルスに家族が感染した場合、消毒には次亜塩素酸ナトリウムなどを使用する必要があります。家庭用の塩素系漂白剤でも代用できるので、使い捨ての手袋とともに用意しておくと良いでしょう。

ノロウイルスの感染予防についてのポイントがまとめられているこちらも参考にしてみてください。
厚生労働省「ノロウイルス食中毒予防対策リーフレット」

・加湿器
空気が乾燥すると、気道粘膜の防御機能が下がり、細菌に感染しやすくなります。加湿器で湿度を50〜60%に保つようにしておくと安心です。逆に湿度が高すぎるとカビが生えやすくなるので要注意。また、水分をこまめに摂ることで、常に喉を潤しておくのも良いでしょう。

・経口補水液
インフルエンザやノロウイルスに感染して発症した場合、脱水症状を防ぐためには経口補水液がおすすめです。特にノロウイルスに感染した場合は、嘔吐や下痢の症状によって、脱水状態になりやすいので備えておきましょう。

後回しにしないで、元気なときにこそ準備を。

冬はクリスマスやお正月など、楽しいイベントも盛りだくさん。日々忙しいとつい後回しにしがちなウイルス対策ですが、家族みんなで元気に過ごせるようしっかりと取り入れたいですね。万一、年末年始の長期休みに発症したときのために、年末年始対応の医療機関を調べておくと安心です。

池袋大谷クリニック院長 大谷 義夫(おおたに よしお)先生

池袋大谷クリニック院長 大谷 義夫(おおたに よしお)先生

日本呼吸器学会指導医・専門医。医学博士。1989年群馬大学医学部を卒業後、東京医科歯科大学第一内科に入局。2005年に東京医科歯科大学呼吸器内科医局長に就任。米国ミシガン大学への留学、東京医科歯科大学呼吸器内科兼任睡眠制御学講座准教授を経て、2009年に池袋大谷クリニックを開院。呼吸器内科のスペシャリストとしてメディア出演や執筆など多方面で活躍中。新著『絶対に休めない医師がやっている最強の体調管理(日経BP社)』。

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