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2018/8/3
笑顔を未来へつなぐ
「献血」という名のバトン
8月21日は「献血の日」です。献血は、多くの人を笑顔にする、未来へつながる活動であることをご存じでしょうか？献血で集められた貴重な血液は、事故や手術で血液が足りなくなった人たちに対して使われるだけでなく、血液の病気やがん治療などで闘病生活を送る人たちのためにも使われています。
一人の患者さんが救われれば、家族の方も笑顔になります。献血は多くの人々を幸せにする、大切な「たすけあい」の取り組みといえます。
お盆休みなどの長期休暇の時期には献血者が減少しがちなため、一人でも多くの助けが必要となります。今回は、人の未来をつなぐバトンともいえる、献血の必要性について紹介します。
病気に向き合うことで知る、献血のチカラ
日本では、1日に約3,000人の患者さんが輸血を受けていると言われています。献血で集められた血液をもとにつくられる輸血用血液製剤のなかには、有効期間が4日間しかないものがあるため、一時的に偏ることのない継続した献血への協力が必要です。
集められた血液は、不慮の事故や手術の時の輸血のためだけでなく、血液を正常につくり出せない病気や、がんなどの病気をもつ患者さんのためにも使われています。
実際に”悪性リンパ腫”という血液の病気に向き合い、献血によって支えられた60代男性の体験談を紹介します。
10年前、進行している悪性リンパ腫と診断されました。
私も不安でしたが、妻も高校生の娘も不安だったと思います。
心配のあまり妻は胃潰瘍になってしまいました。
入院した病室には、小学生や中学生の子どもを持つお父さんたちや、
20代の若者もいました。
全員が抗がん剤治療を受けていて、血液をつくる機能が低下したり、
血が止まりにくくなったりするため、輸血を受ける必要がありました。
昼間の病院のデイルームは、患者さんと家族でいつも満員でした。
ほとんどの患者さんは、にこやかに家族と話していました。
心配する家族を、安心させようとしていたのだと思います。
私も家族に笑ってもらえるよう、いろいろ努力しました。
今は病気も寛解し、元気で働いています。
娘は来年結婚することになりました。
あれからずっと、家族を笑わせることが日課になっています。
献血していただいた多くの方々のおかげで、今の家族の笑顔があります。
本当にありがとうございました。
献血者数が、年々減少傾向に
たくさんの患者さんを救い、「未来へのバトン」となる献血。ところが、若年層の献血者数は減少傾向にあります。2008年の10～30代の献血者数は約284万人でしたが、2017年には約186万人となり、35%も減少しました。このままだと血液を必要としている人たちが、安定して輸血を受けられなくなる恐れがあります。
今後も助けられる命を支え、未来をつなぐためには、献血への理解と協力が必要になっています。
気軽に、安心してできる献血
献血できる機会は多く、駅前や繁華街などを中心に設置されている献血ルームや、イベント会場、ショッピングモール、運転免許試験場などを巡回する献血バスでもできます。また、職場や学校などでもおこなわれています。
当日でも受付可能で、問診や血圧測定を受けた後に、採血を行います。採血時間は血液中のすべての成分を採血する「全血献血」で10〜15分程度、特定の成分だけを採血する「成分献血」は、採血量に応じて40〜90分ほどでできます。
献血される方の安心・安全が第一に考えられており、リラックスしてできるサポート体制が整えられています。さらに希望者には、採血した血液の検査結果を送付してくれるサービスがあり、自分の健康状態を知ることもできます。
あなたの思いやりが誰かの命を支える
「献血」は誰かの未来を支え、さらにその家族や仲間のよろこびにもつながるかけがえのない取り組みです。小さな「たすけあい」は大きな力を生み出し、今日も誰かの命を支えています。献血に関心がある方は、この機会に、お住まいの市区町村の献血ルームを調べたり、周りの献血経験者にお話を聞いたりしてみてはいかがでしょうか。
取材協力：日本赤十字社
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