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ご存じですか?被災者への経済的支援(約6分で読めます)
2023/11/30配信
近年は、毎年のように自然災害に見舞われ、被災した場合の生活再建には経済的に大きな負担が発生します。共済や保険に加入しているときは、共済金や保険金が支払われることがありますが、被災者に対する公的支援制度も用意されています。代表的なものを確認しておきましょう。
■被災者生活再建支援制度
自然災害によって住宅が全壊するなどして、生活基盤に著しい被害を受けた世帯に対し、都道府県が拠出した基金を活用して支援金を支給するものです。支援金には、住宅の被害程度に応じて支給される「基礎支援金」と、住宅の再建方法に応じて支給される「加算支援金」の2つがあり、合計で最高300万円が支給されます。ただし、単身世帯の場合は、支援金がそれぞれ4分の3になります。
「基礎支援金」
全壊世帯・解体世帯・長期避難世帯: 100万円
大規模半壊世帯: 50万円
中規模半壊世帯: なし
「加算支援金」
建設・購入: 200万円(100万円)
補修: 100万円(50万円)
賃借(公営住宅を除く): 50万円(25万円)
※括弧内の金額は、中規模半壊世帯の場合
支援金の使途は限定されず、何にでも利用することができます。この制度の対象となるのは、暴風、豪雨、豪雪、洪水、高潮、地震、津波、噴火等であって、1市町村において住宅が10世帯以上全壊した自然災害とされています。実際にこの制度が適用になるかどうかについては、都道府県からの公示で確認できます。
■災害援護資金貸付
災害救助法が適用された災害によって世帯主が負傷したとき、または住居や家財に一定以上の損害を受けたときは、市町村より生活の立直しに必要な資金の貸付を受けることができます。この貸付を利用できるのは、「世帯主が災害により負傷し、療養に概ね1ヵ月以上かかる」「家財の3分の1以上の損害」「住宅の半壊または全壊、滅失または流失」のいずれかを満たす世帯主です。また、世帯の所得制限があり、市町村民税における前年の総所得金額が世帯人数1人のときは220万円未満、2人のときは430万円未満、3人のときは620万円未満、4人のときは730万円未満、5人以上のときは1人増えるごとに730万円に30万円を加算した額未満となっています。ただし、その世帯の住居が滅失した場合には、世帯人数に関わらず1,270万円未満です。
貸付限度額は最高350万円ですが、世帯主の負傷状況や住宅の被害程度により、貸付限度額や貸付の対象になるかが異なります。支援金とは違い貸付制度であるため、年利3%以内で市町村が条例で定める利率がかかりますが、条件によっては無利子になることもあります。
被災者に対しては、これらの制度の他にも、国税や地方税、国民年金保険料や医療保険の保険料の減免措置などが準備されています。もし、被災してしまったときは、ケガが軽かったとしても心の余裕がなくなるなどして調べ事は普段よりも難しくなるはずですので、公的支援制度の概要だけでも押さえておきたいところです。防災・減災グッズをそろえるのにあわせて、お住いの市町村の広報誌やホームページを確認しておくとよいでしょう。また、自然災害で住宅が被害を受けたときは、各種制度の利用に必要となる「罹災証明書」の交付を市町村に申請することも忘れないようにしましょう。
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