趣味に、ボランティアに。
手術を経てさらにパワーアップ

斉藤 直美さん

千葉県在住
斉藤 直美
さん [45歳]

PROFILE
夫・息子と家族3人暮らし。パートタイムで働きながら、ボランティアや地域の活動などに積極的に参加している。

地域活動に楽しんで参加。家での日課は自己流ストレッチ

 平日は社員食堂でパートをしているのですが、空いた時間はボランティアや地域の活動などに参加しています。個性的な人ばかりで楽しいんですよ。達成感というのは、見えるものではないんですが……終わった後のビールの量でしょうか(笑)。その後、カラオケに流れたり。私の場合、ボランティアは、そんな周りとの交流も楽しみのひとつなんです。
 家では、筋トレとストレッチを組み合わせた自己流の体操をするのが日課です。子どもがまだ幼稚園の頃、体が硬くて笑われたことがあるんですよね(笑)。それが悔しくて、ほぼ独学で始めました。毎日やり続けて、とても軟らかくなりました。もともとあまり健康ではない方で、朝起きて不調なことも多かったんです。でも体操をやり始めてからは、貧血も改善されましたし、お通じも調子がいいです。体も締まりました。何より、体が軟らかいと動きが楽になりますよ。

 毎朝やるのが当たり前になっているので、やらないのはお盆とお正月くらいですね。しばらくやらないと、再開したときすぐに筋肉痛になるので、続けるって大事なことなんだなと実感しています。家族は特に私の体の変化には気づいてくれませんが(笑)。

病気と向き合ってばかりでは40代がもったいない

 30代のはじめに、婦人科検診で子宮筋腫が見つかりました。でも周りにも子宮筋腫を持っているお母さんは多かったので、そのまま何年も放置していたら、2010年にお腹がすごく重くなって、ボコっと膨れてしまったんです。大きな病院で診てもらったら「筋腫が3つもあるよ」と言われて。1年間通院して小さくして、2012年の夏に手術しました。取った筋腫は胎児の頭くらいの大きさだったそうで、お腹も14cm切りました。子宮筋腫を軽く考えていたバツだったかもしれません。

 そう反省する一方で、逆に病気だからといってふさぎ込んでしまうのもいけないのかなと思いましたね。つらい気持ちはわかりますが、女性の40代って、すごく大事じゃないですか。その大事な時期を、病気とだけ向き合ってしまうのは本当にもったいないなと感じます。
 お金の面では全労済にサポートしていただけて良かったです。請求してから共済金をいただけるまでがびっくりするほど早くて。そのことがあってから、勝手に全労済を周りにも勧めています(笑)。

家族はもちろん、友人の存在も心の支えに

 入院中は、家族の気遣いがうれしかったです。高校生の息子が、すごく優しくて(笑)。それから印象的だったのが、手術直後の何もできないとき、同じく子宮の病気を患ったことのある友人の言葉でした。「体って不思議だよ、毎日成長するから。病気して、何もできなくなったら自分の体を楽しんでみて」と。最初は意味が分からなかったのですが、退院後に実感しましたね。退院した直後は、歩くのも大変な状態でした。好きな食べ物も体が全然受け付けないし、お酒ももちろんだめ。体がリセットされてしまった感じだったんです。その後少しずつ元通りにいろいろ食べられるようになり、それと一緒に体が元気になっていくのが毎日実感できました。食べものと体ってこんなに密接なんだなと感動しましたね。

 少し元気になると、今度はカラオケ友達が、「最初は声出ないけど、落ち込まないで大丈夫だよ、すぐにまた出るようになるから」って、アドバイスをしてくれて。この年になると、家族はもちろんなんですが、そういうアドバイスをくれる友人や知人の存在がすごく大事だなと思います。知り合いは多ければ多いほど、そういう大事な人たちとつながりを持てる……ボランティアをする成果は、そういった形でも返ってきているのかもしれません。

病気を経験したからこそ今が輝いている

 闘病生活を経験して、ますますパワーアップしているな、と感じています。20代の頃は体のことなんか何も考えずに無茶をして、30代は子どもにかかりっきり、40代でようやく自分の時間を持てる頃に体を壊す人はとても多いと思います。でもそれって実は必要なことなのかもしれません。よくスポーツ選手が、「けがをしたから今がある」ということを言いますが、一般の人も同じかもしれません。一度何もできない時間を持って、生活や生き方を見直すことで、さらに人生が充実したものになっていくのではないでしょうか。

 それから、お母さんって家族のために無理してしまうから、何でもできる、って思われてしまいますよね。何か不調があっても、入院や手術は家族の世話をしなければならないから無理、と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。それを自分がきちんと理解するためにも、弱っているときに正直な姿を家族に見せることも大事なんじゃないかと思います。
 今は、この状況がずっと続くのが夢ですね。それだけ毎日が楽しいということかな。

編集後記

 闘病体験があったからこそ、パワーアップしたと語ってくださった斉藤さん。その言葉で、どんな体験も自分の糧にできるポジティブな姿勢の大切さに気付かされました。現在は、ボランティア、PTA活動などのほか、マンションの修繕委員もされているとか……。そのパワフルさ、ぜひ見習いたいです。