若い頃に中途半端にしていた
“やりたいこと”をもう一度。

深沢 正男(ふかさわ まさお)さん

山梨県在住
深沢 正男
(ふかさわ まさお)さん [68歳]

PROFILE
66歳で退職後、山梨県で奥さまと愛犬と暮らしている。近所のジムで体を鍛えつつ、野菜づくりに精を出す日々。離れて生活している2人のお子さん(一男一女)のもとに、収穫した野菜を届けるのが最近の楽しみ。

2014年に起きた大雪被害。損傷した雨樋を共済金で修理

 山梨県は、富士山、南アルプス、八ヶ岳、奥秩父などが連なる日本でも有数の山岳県です。若い頃はハイキングであちこちの山に登りました。山梨百名山に数えられる櫛形山(くしがたやま)で見たアヤメの群生地は、たどりつくまでの苦労も吹き飛ぶくらいの美しさだったのを今も覚えています。
 今、住んでいるところは標高の高い山に囲まれているので、冬は雪が降ってもそれほど積もらないことが多く、2014年2月の大雪被害が起きるまでは、僕も「雪が降ってもたいしたことはないだろう」と考えていました。

 当時は、静岡県御殿場市の会社の社宅で妻と暮らしていました。テレビのニュースなどで“観測史上最高の積雪”と報じられていたので、「山梨の自宅は大丈夫だろうか」と不安になりました。すぐにでも様子を見に行きたかったのですが、雪の影響で交通機関はマヒしていました。仕方がないので、その日は社宅周辺の雪かきをして過ごしました。
 交通機関が回復し、雪が溶けて自宅に戻れるようになるまで2週間くらいかかったと記憶しています。帰ってから近所の人に大雪のすさまじさを聞きました。その近所のお宅は、積雪のために外に出られなかったそうです。僕の自宅にも山のように雪が積もり、屋根が沈むのではないかと思ったと話していました。
 自宅の周囲を調べると案の定、屋根の雨樋が雪の重みで大きく歪んでいました。それで全労済に連絡をしたところ「すぐに見に行きます」との回答で、後日2人の担当者が尋ねてきてくれました。
 さっそく壊れた雨樋を見てもらうと「他の部分も壊れているかもしれないので、調べてみましょう」と、屋根の周囲をていねいにチェックしてくれたうえに、僕が「この程度なら保障の対象にならないだろう」と思っていた別の雨樋の部分も損壊対象となりました。
 しっかり調査してくれたおかげで、無事修理代に充てることができました。

会社員時代に脳梗塞で入院。保障は“不幸中の幸い”だった

 実は全労済のお世話になったのは、これが初めてではありません。大雪の被害より少し前に、脳梗塞で倒れた経験があり、このときも共済金に支えてもらいました。
 その日は、朝は普通に起床して、まず社宅の1階にある郵便受けから新聞を取りに行きました。部屋に戻り新聞の内容をチェックした後、洗面所で髭剃り、整髪をしていると、急にめまいが襲ってきました。立っていられなくなり、居間で横になりました。会社に休暇の連絡を入れて休んでいたのですが一向に良くなりません。それで妻に電話をかけて容態を伝えると、妻はすぐに救急車を呼んでくれました。
 救急隊員が家に来て、担架に乗せられたことまでは覚えています。そこから先は意識がなく、気づいたら病院のベッドの上で4日間も過ぎていました。僕の意識のないうちに手術も無事済んでいたそうで、看護師さんいわく「早期治療のおかげで大きな後遺症はないだろう」との事でした。その言葉の通り、ほとんどリハビリせずに、1ヵ月くらいで退院できました。
 その後、全労済へ共済金の請求手続きを行い、入院・治療費が補てんできたのです。共済への加入はまさに“不幸中の幸い”でした。それに、あのときすぐに救急車を呼んでくれた妻には、今も感謝の気持ちで頭が上がりません。

好きな言葉は「努力する」。チャレンジの過程で得られる感動を大切に

 昔から「努力する」という言葉が好きで、誰もやらないことにチャレンジしたいと思っていました。今は退職後の自由な時間を使って、いろいろなことをやっています。
 ひとつは「野菜づくり」です。知り合いの農地を借りて、今年から始めました。今植えているのは、キュウリ、ナス、トマト、パプリカ、スイカです。土地が肥えているせいか、水を与えるだけでどんどん育ちます。植物の生命力はすごいですね。見ているだけで元気になれます。
 収穫後の味も良いですよ。噛んだときの、じわーっとくる瑞々しさがたまりません。自分で手間をかけている分、お店で買うものよりおいしく感じるのかも(笑)。これから秋に向けて、セロリやレタスも育てたいと思っています。
 もうひとつは「マラソン」です。会社員時代、企業対抗の駅伝大会に出場したのがきっかけで夢中になってしまいました。今まで、ホノルルマラソンに2回、東京マラソンに3回出場して、完走記念のTシャツは今も大切に保管しています。

 最近は体力が落ちてきたので、フルマラソンは難しいですが、5kmマラソンにはチャレンジしてみたいです。そのために、近所のジムで筋力トレーニングをしたり、プールで泳いだりして体づくりをしています。
 他にもやりたいことはたくさんあります。ありすぎて時間が足りないくらい(笑)。若い頃に忙しさを理由に、中途半端にしかできなかったことを全部やりたい。それが目標であり、夢ですね。

編集後記

 「やりたいことがたくさんある」と目を輝かせて話してくれた深沢さん。今後は、なんとエレキギターの練習も始められるのだとか。年齢に関係なく、どんなこともチャレンジ精神で向き合う、そのポジティブな姿勢が若々しさの源になっているのですね。