新しい家で夫婦仲良く、
毎日を「ゆったり」と過ごしたい。

茂垣 邦夫(もがき くにお) さん 彰子(しょうこ) さん

茨城県在住
茂垣 邦夫
(もがき くにお)さん [69歳]
   彰子
(しょうこ)さん [71歳]

PROFILE
現役時代は夫婦で喫茶店を経営。東日本大震災による被災で自宅を建て直したのを機に、息子さんが経営するお店を手伝いながら悠悠自適の日々を送る。

東日本大震災で地盤が崩壊。自宅が「全壊」の状態に……

● 彰子さん
 (部屋の中を見回しながら)この家は、東日本大震災の被災後に建て直しました。まだ新しいでしょう? 建て直せたのは、全労済の保障のおかげです。

● 邦夫さん
 全労済に加入したのは2008年頃です。それまで加入していた保障の見直しを考えていた時、全労済なら手頃な掛金で加入できるとわかり、当時の火災共済を選びました。その後に地震が起こるなんて思ってもみませんでした。

● 彰子さん
 当時は夫婦で喫茶店を経営していました。お客さんで込み合うお昼を過ぎて、自宅で休憩中の時間でした。いきなり地面を突き上げるような衝撃があって、続いて大きな横揺れが襲ってきました。私は玄関にいたのですが、そこにあった大きな鏡がグラグラと揺れるので、倒れないように押さえつけていました。
 揺れはどんどん大きくなって、立っていられないくらいになりました。その時、廊下にあったクリスタルガラス製の花瓶が倒れ、コロコロと土間に転がっていきました。思わず「あっ!」と悲鳴を上げてしまいました。高価なもので気に入っていたので、割れたら大変だと思って取りに行こうとしたのですが、揺れがひどくて身動きが取れません。花瓶はそのまま土間を飛び出して、ガシャンとこっぱみじんに……。

● 邦夫さん
 私は居間で食器棚を押さえつけていました。でも、棚の扉が横揺れのせいで開いてしまい、食器がどんどん飛び出してきてしまって……。グラスやお皿が割れるのを見ていることしかできませんでした。

●彰子さん
 ようやく揺れが静まったので、夫と、息子の3人で外に逃げました。「何が起こるかわからないから、とにかく安全な場所に避難しよう」と、夫の車に乗って近くの高台に向かいました。ひび割れて盛り上がった道路のせいで、車はまっすぐ走らず、ガタガタ揺れる車内でずっと不安を感じていたのを覚えています。

● 邦夫さん
 その日は、同じ市内に住んでいる姉の家に避難しました。それからテレビの報道などを見て、ひとまず落ち着いたようだと判断して自宅に戻ったのが2日後。3人で割れた食器を片付けて家の掃除をしました。逃げた時は気付かなかったのですが、地震の影響で地面が沈み込み、建物全体が傾いていました。「いつ崩れてもおかしくない」と思うような状況だったので生活用具一式を運び出し、自宅の隣にあった小屋の中で寝起きすることにしました。

全労済を思い出してあわてて電話。共済金のサポートで元の生活を取り戻す

● 彰子さん

 数日後、義理の兄が心配して様子を見に来てくれました。「住宅部分の保障に入ってないの?」と聞かれたので、私は「入ってないのよ」と答えました。実はこの時、全労済の火災共済に加入していたのですが、地震の被害にも適用されるとは思っていなくて……。壊れた自宅のことでパニック状態でしたから。その後に夫から「自然災害保障も加入していると思うから保障されるんじゃないか?」と言われて「そういえば!」と思い出し、すぐに全労済に電話をしました。
 それから半月もせず全労済の担当者が調査に来てくれました。自宅が修繕できるのかとても心配で、担当者に「(保障は)どれくらい出るんでしょうか?」と聞いてしまうほどでした。
 調査の結果は「全壊」となり、速やかに共済金を受け取れました。本当に助かりました。

● 邦夫さん
 共済金のサポートもあって自宅を建て直すことができ、1年くらいで元の生活に戻れました。保障がなかったらと思うと、ぞっとします。今は、震災の反省で食器棚の扉を簡易ワイヤーで固定して、大きな振動でも開かないようにしています。棚と天井の間にストッパーを設置して、倒れないようにしました。

●彰子さん
 今回の体験で共済への加入は“安心料”だと思うようになりました。お金を払って安心を買うことは、何が起こるかわからない人生の、いわば「備え」です。全労済の住まいる共済なら、その安心を手頃な掛金で加入することができる。収入に不安のある方にもおすすめできると思います。

新しく建て直した自宅で、悠悠自適に暮らす

● 彰子さん
 自宅の新築をきっかけに喫茶店をたたみ、今は悠悠自適の暮らしです。家の隣に息子が始めた串焼き屋があるので、平日は仕込みの手伝いをしています。市内に別のお店をたちあげ頑張っているので、家の隣のお店は夫と二人で切り盛りしています。
 趣味と呼べるものはとくにありませんが、週に1、2回、市内の喫茶店で友だちとおしゃべりをして帰ってくるのが楽しいです(笑)。

● 邦夫さん
 私の楽しみは、近所の温泉に通うことです。地元の有名な天然温泉で、露天風呂や炭酸浴が楽しめます。毎日通っているので、“風呂友だち”もできました。

●彰子さん
 露天風呂に入りすぎて、夫の背中は真っ黒に日焼けしているんです。そんなに温泉が好きなら家に帰って来なくていいって言っちゃいました(笑)。

● 邦夫さん
 行かない日があると、友だちから“あいつは病気なんじゃないか”と心配されますからね(笑)。友だち同士で元気な顔を見せ合う場所にもなっています。

● 彰子さん
 同世代の友だちには、趣味を充実させたり、新しいことを始めたりする人もいますけれど、私たちは慌ただしい人生を過ごしてきたので、「これから先は毎日のんびり過ごせたらいいね」という感覚です。家族で健康を大切に、支え合って暮らしていたいです。

編集後記

 インタビュー中にも小さな地震がありました。揺れる家の中で「こんな風に、何が起こるかわからないから、備えと蓄えは大事ですよ」とお話されていたお二人の姿が印象的でした。東日本大震災を体験したからこそ言える重みのある警句。しっかり心にとどめました。