こくみん共済 coop の公式ホームページお問い合わせ全国の窓口関東統括本部 公式ストーリー第2の人生スタート。家や家族を労わりつつ、のんびりと過ごせたら。

第2の人生スタート。
家や家族を労わりつつ、のんびりと過ごせたら。

山田 敏明(やまだ としあき)さん

茨城県在住
山田 敏明
(やまだ としあき)さん [59歳]

PROFILE
昨年、システム開発の会社を早期退職をするも、新天地を求めて職を探しつつ、趣味のガーデニングに精を出す毎日。娘さん2人が独立し、今は奥さんと愛犬と暮らしている。

阪神淡路大震災をきっかけに全労済へ加入。恐れていたことが現実となってしまった

 今から約20年前のことです。我が家の住宅ローンを見直そうと思って、労働金庫の方に相談していた時、「全労済は良心的で対応がいい」という話を聞き、家や家族の保障の見直しを図りました。自然災害共済を付帯したのは、妻の親戚が関西におり、1995年に起きた阪神・淡路大震災で被災していたためでした。「災害はいつどんな形で我が身に降りかかるかわからない、大事なものにはきちんと保障を備えておこう」と考えました。

 その予測は現実のものとなり、2011年3月11日、私たち家族は東日本大震災を経験しました。当時、私は仕事で企業などのシステムを開発しており、地震発生時は職場にいました。もともと古い建物で、ちょうど「耐震性を強化するための建て替え工事」の準備をしていた時に震災が起きたのです。幸い自分を含め職場のみんなは無事で、その日は仕事を中断して解散しました。
 職場は高台にあったため津波の被害を免れましたが、車で帰る途中、津波の影響で通れない地域があり、迂回をしながら自宅を目指しました。
 「家族や家は大丈夫だろうか」、ただそれだけを考えながら帰ると、妻と娘が近所のアパートの駐車場に避難していました。家も倒壊などはしておらず、ひとまず安心しました。

共済金で屋根や壁を修繕。親切で迅速な対応に感謝

 妻は地震発生時、仕事で近所に出かけていました。しかし家には、たまたま仕事が休みだった娘と、愛犬のラブラドールレトリバーがいました。娘の話によると、最初の強い揺れがおさまった時にすぐさま、愛犬を抱えて庭へ逃げたそうです。
 実は我が家の周辺は、地盤が不安定で、普段から、前の道を大きなトラックが通ると家が揺れるほどでした。そんな状態だったせいか、屋根瓦が割れ、次々と庭に落下してきたそうです。その話を聞いて「庭に逃げた娘は、むしろ余計に危なかったのではないか」と背筋が凍りましたが、運よく無事でした。
 家はなんとか倒壊を免れましたが、ありとあらゆるものが倒れて凄まじい荒れ具合。私の書斎は、ドアが内開きだったため、部屋の中で倒れた本棚がつっかえてすぐには中に入れませんでした。また、とても印象的だったのが、その書斎の本棚に、「酒のつまみにでも」と思って置いてあった「サンマの蒲焼の缶詰」が、激しい揺れにより吹っ飛んで、壁に突き刺さっていたこと。地震の激しさを物語っていました。
 全労済に連絡できたのは、震災後2週間ほど経った頃。すぐに調査に来てくれて、「半壊」の認定でした。思っていたよりずっと早く対応してもらい、非常に助かりました。おかげで屋根瓦や家の壁に入った亀裂などもすっかり直すことができて、本当に感謝しています。「備えは大きいにこしたことはない」と、今はより「大型の保障プラン」へ変更を検討しています。

私たちは被災したとは言えない。深刻な状況を目の当たりにした衝撃

 夫婦で震災のことを口にする時、「私たちは被災したとは言えないね」という話になります。実は私の実家が宮城県仙台市にあり、我々よりはるかに過酷な状況下にあった方々が身近にいたからです。
 震災が起きて1ヵ月が経った頃、自分の妹と一緒に、両親が暮らしている実家を訪れました。実家は「大規模半壊」で、壁が剥がれ落ちるなどのひどい有様でしたが、実家でも全労済の自然災害共済に加入していたため、共済金を受け取ることができて大変助かりました。
 ただ、仙台の街の中では、電柱が倒れていたり地面が波打っていたり、また、住宅地一帯が跡形もなく消失しているところもありました。私は高校の頃まで仙台にいたのですが、「青春時代に記憶していたあの風景が消えてしまった」と、強いショックを受けたのを覚えています。また、私が通っていた高校は、特に被害の大きかった石巻市の方から通っていた生徒もいたので、同級生が数人亡くなってしまいました。
 地震、そして津波の恐ろしさをあらためて感じたとともに、保障は備えておくべきだと、本当にそう思いました。

今後の目標・計画はゆっくり立てつつ、“3人”の時間を大切にしたい

 私は昨年、会社を早期退職しまして、週1日をめどに、就職活動をしています。これまでずっとシステム関係の仕事をしてきたので、「まったく環境の異なる世界に身を置いて、自分の可能性を試してみたい、広げてみたい」という思いがあり、別のジャンルの業界で仕事を探しています。まだどんな分野がいいか、迷っているところなんですけどね。
 あとは今、趣味の庭いじりを楽しんでいます。近頃は暖かくなってきて、草が伸び放題ですから、結構手間がかかって。おまけにモグラに荒らされて、困ったものです。でも手をかけて庭を綺麗にすることで、清々しい気持ちになるし、好きなんですよね。
 他の趣味はこれといってありませんが、息子代わりの愛犬との散歩ですかね。娘は2人いるのですが、どちらも嫁いでしまっているので、今は妻と愛犬の3人暮らしです。最近私は糖尿病の気もあって、薬を服用しているし、この“息子”ももう人間の年に当てはめると80歳くらいなので、ともに健康第一でゆっくり過ごしていきたいです。今後、仕事は見つけたとしても無理はしたくないですし、妻と過ごす時間も増えるでしょうから、これからは夫婦で楽しめる趣味でも見つけたいですね。

編集後記

 取材時は奥様にも同席いただき、当時の状況を振り返っていただきました。敏明さんの手によって見事に剪定された梨の木や梅の木をバックに、「息子のような存在」である愛犬のビート君と一緒に微笑むご夫婦の姿は、春の陽気も相まって非常に爽やかで素敵でした。