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フラット35の制度変更(2022年10月)のポイント(約6分で読めます)
2022/10/31配信
マイホームの取得時に利用できるフラット35(民間金融機関と住宅金融支援機構が提携した最長35年の全期間固定金利住宅ローン)は、定期的に商品内容が見直されてきましたが、2022年10月に比較的大きな改正が行われました。今回は、2022年10月の制度変更のポイントについてお伝えします。
■フラット35S(ZEH)の新設
借入開始から一定期間、借入金利が優遇されるフラット35SにZEH(ゼッチ、net Zero Energy House)が新設されました。ZEHとは、国土交通省の説明によれば、「外皮の断熱性能等を大幅に向上させるとともに、高効率な設備システムの導入により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギーを実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、年間の一次エネルギー消費量の収支がゼロとすることを目指した住宅」のことです。もう少し簡潔にすると、「断熱効果の高い住宅を建築して、電力の消費量を抑え、太陽光発電などで電気を創り出すことで、エネルギー消費の正味ゼロを目指す」ということです。国は、2030年度以降新築される住宅について、ZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指すことを目標として各種の政策を進めています。
フラット35S(ZEH)の基準に適合する場合は、フラット35の借入金利が当初5年間は年0.5%、6年目から10年目までは年0.25%、引き下げられることになりました。
■フラット35Sの基準の見直し
質の高い住宅を取得したときに、一定期間、借入金利が引き下げとなるフラット35S(金利Aプラン、金利Bプラン)の基準が見直されました。住宅の省エネ性能をより高めるため、新築住宅・中古住宅ともに、省エネルギー性に関する基準が強化されました。それ以外では、中古住宅において、高い品質が求められる金利Aプランの基準(省エネルギー性を除く)が、新築住宅の金利Bプランと同等の水準に緩和された一方、金利Bプランではバリアフリー性に関する基準が強化されました。
■フラット35の金利引下げ方法がポイント制に
これまではフラット35の種類ごとに借入金利の引下げ期間と引下げ幅が決められていましたが、「住宅性能」、「管理・修繕」、「エリア」の区分ごとに割り振られるポイント数の合計によって、借入金利の引下げ期間と引下げ幅が決まる仕組みになりました。
1ポイント:当初5年間の金利を年0.25%引下げ
2ポイント:当初10年間の金利を年0.25%引下げ
3ポイント:当初5年間の金利を年0.5%引下げ、6年目から10年目までの金利を年0.25%引下げ
4ポイント以上:当初10年間の金利を年0.5%引下げ
例えば、「住宅性能」において、フラット35リノベ(金利Aプラン)では4ポイント、フラット35S(ZEH)では3ポイントが付与されます。
■借換融資を利用時の最長返済期間の延長
借換融資でフラット35を利用する際に、対象となる住宅が長期優良住宅の場合は、最長返済期間が延長されることになりました。最長返済期間は、次の(1)または(2)のいずれか短い年数(1年単位)です。
【改正前】
(1)80歳-借換融資の申込時の年齢
(2)35年-従前の住宅ローンの経過期間
【改正後】
(1)80歳-借換融資の申込時の年齢 →変更なし
(2)50年-従前の住宅ローンの経過期間
新たな基準に適合するかどうかで、借入金利の引下げが適用できるかなどが決まるため、マイホームの取得に向けて準備を進めていた人は確認しておきましょう。また、フラット35では定期的に制度改正が実施されるため、利用を検討している人はフラット35のホームページなどで情報を収集しておくとよいでしょう。
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