被災地の小学校での森づくり支援活動

全労済では、かねてより行ってきた環境保全活動において、国土緑化推進機構とパートナーシップを組んでいます。2013年12月からは、同機構が実施する「震災地域における学校教育向上のための緑化事業」を通して、当該地域で緑化活動を行う児童の組織、「みどりの少年団」をサポートしています。
被災地では、特に沿岸部の海岸林が津波により壊滅的な被害を受けるなど、震災を機に緑が減少しました。私たちは、被災地の緑を回復し、子どもたちの緑を大切にするこころを育てる目的で、植樹のための木々や、活動用のユニフォームを寄贈するなどの取り組みを行っています。

各地での取り組みのご紹介

2013年12月4日 岩手県大船渡市立吉浜小学校

海を臨む高台にある吉浜小学校では、65名の児童が学んでいます。休み時間になると、ほとんどの児童が校庭に出て元気に遊びます。震災では被害の少ない地区ではありましたが、あの日、学校からも、町を飲み込む津波が見えたそうです。力を入れてきた緑化活動は、震災以降はなかなか推進できずにいました。
この日学校の脇に植えたのは、東北弁で、春先に「まんず咲く」(まず咲く)のが名前の由来といわれるマンサク。自然愛護少年団団長の白木沢彩里(さりい)さんは、「(津波の)被害を受けた場所を通ると気持ちが暗くなります。気持ちを明るくしてくれる緑を大切にして、もっと増やしていきたいです」と話しました。

(左)式典で、平田功校長の話を真剣に聞く子どもたち(右)国土緑化推進機構、全労済の式典列席者と共にマンサクの木を植樹する白木沢彩里さん

2013年12月9日 福島県田村市立美山小学校

76名の児童全員が、毎朝必ず職員室に顔を見せて挨拶をするという美山小学校。校舎前の校碑には、「本気で学べ 根気よく励め 元気に遊べ」と刻まれています。震災とそれに伴う原発事故で、多くの人たちが避難を強いられた福島県。田村市にも、今も避難生活を送る方がたくさん暮らしています。
この日は、みんなで桜の木を植えました。震災前から、地元の間伐材を使って巣箱づくりなどを行ってきたという、みどりの少年団団長の大山颯太(そうた)さんは、「福島県の被災地が元気になるように願いを込めて植えました。桜の花はきれいなので、元気に育つと嬉しいです。これからも、みんなで協力して、自慢の美山小学校に緑を増やしていきたいです」と話しました。

(左)学校脇の斜面に植樹する子どもたち(右)全労済福島県本部栗城本部長より、贈呈されたユニフォームを受け取る大山颯太さん

2014年2月18日 宮城県気仙沼市立馬籠小学校

全国でも少なくなった学校林を持ち、県内外の緑化コンクールで多数の受賞歴もある馬籠小学校。「恥ずかしがり屋で純朴。上手に話すことは得意ではないけれど、緑化のような奉仕活動にも、自ら進んで一生懸命に取り組む」という児童32名が学んでいます。震災で多くの人が犠牲になった気仙沼。児童の親戚や、馬籠小学校の先生も含まれていました。木村玲子校長は、「亡くなった人たちのためにも、未来に向けて、前を向いて成長してほしい」と語ります。
この日は、校舎の前にオオヤマザクラを植えました。寒さに強く、葉も花も大きな種類です。みどりの少年団団長の鈴木美咲(みさ)さんは、「きれいな花がたくさん咲くように大切にしたい」と話しました。

(左)みんなで記念撮影。新しいユニフォームがよく似合っています。(右)この数日前に雪がたくさん降りました。春になり、花をつけるのを楽しみに。

2014年4月24日 宮城県登米市立米川小学校

式典の日は、満開の桜と、校庭の花壇に咲くチューリップが迎えてくれました。森林率90%という米川地区。児童たちの話によると、カモシカの姿を目にすることも珍しくないそうです。
米川小学校のみどりの少年団は、活動の一環で、舞茸の伏せ込み作業とその販売を地域の森林組合の皆さんと共に行っています。みどりの少年団団長の西城希望(のぞむ)さん、副団長の千葉花(はな)さん、千葉咲花(さくら)さんが口々に、活動が楽しいと言い、「舞茸はふつうに売られているものよりおいしい。販売するのが楽しみ」「協力して、アイディアを出し合ってやるところが好き。新しいユニフォームで活動をますます頑張りたい」と笑顔でした。

(左)春の晴れた空の下、枝垂れ桜と紅梅を植えました。(右)(左から)みどりの少年団の西城希望さん、千葉花さん、千葉咲花さん

2014年4月26日 岩手県葛巻町立小屋瀬小学校

「21世紀をたくましく生きる小屋瀬の子」と校舎に掲げる、児童数24名の小屋瀬小学校。近隣には畑が広がり、裏手には川が流れる環境です。
土曜日に行われた式典には、同小学校の卒業生という鈴木重男葛巻町長や、樹木医の高村尚武氏も駆けつけ、父兄の皆さんが大勢集まりました。震災では停電になり、自らも大変な思いをした地域ですが、葛巻地区森林愛護少年団では、野菜を育てて販売した売り上げを、さらに被害の大きかった沿岸部に寄付しているとのことです。小屋瀬小学校には、合計90本の、2種類の桜を植樹。高橋康子校長は、「ここで花を咲かせ、地域の皆さんの憩いの場になれば」と話しました。

(左)震災後、一関市から移住した南舘ファミリー。子どもたちは小屋瀬っ子として育ちます。(右)川が流れる校舎裏手の、土手を中心に桜の花を植えました。

2014年5月29日 宮城県塩釜市立塩竈第一小学校

商店街を見下ろす高台に建つ塩竈第一小学校。開校は1873年と、堂々の歴史を持つ学校です。市をあげての挨拶の励行が奏功しているのでしょうか、どの児童も、元気いっぱい、気持ちのよい挨拶をしてくれます。町を津波が襲ったとき、校庭に避難していた児童たちは、雪が降ってきたために体育館に移動したそうです。
みどりの少年団代表の佐澤春花(はるか)さんは、そのときのことを「(余震で)揺れてこわかった」と振り返ります。塩竈第一小学校に植樹したのはツバキ。佐澤さんは、「学校に来て、自分が植えた花が咲いていると嬉しい。震災のあと、全国の皆さんに支援されて、つながっていると思った」と明るく話しました。

(左)塩釜市で唯一のみどりの少年団。平成に入ってから結成されたそうです。(右)式典で、児童代表の挨拶をした佐澤春花さん