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⾃転⾞のメンテナンスって必要?自転車屋さんに、1人でもできる方法を聞いてみた

公開日:2020年11月30日 / 更新日:2023年3月31日

全国で34店舗展開する、自転車販売専門店Y’s Roadの新宿クロスバイク館の八木さんに、コロナ禍で変わる自転車を取り巻く環境と、自宅で簡単にできるメンテナンス方法について伺いました。

コロナ禍で広がった自転車利用者の層。

コロナ禍での販売状況ですが、外出自粛となった時期には少し落ち込みました。一方でリモートワークが難しいお仕事の方、店舗へ出勤しなくてはならない方が、自転車の購入のために来店される機会は増えました。我々の場合はスポーツバイクという、シティサイクル(通称ママチャリ)とは違ったジャンルの自転車を販売しておりますが、今までスポーツバイクに乗ったことがないという方も、長い距離を楽に乗れることや、車体が軽いなどのメリットを理由にご検討いただけるようになりました。
利用シーンとしては通勤通学に使われる方が多いですが、サイクリングなどスポーツとして利用される方も多いです。通勤距離が長いので休みの日にある程度の距離を走れるまで慣れてから、通勤に切り替える方もいます。通勤は時間と距離に制限が出るので、ちゃんと慣れておかないと事故にもつながりますからね。
また、女性のお客さまも増えました。年齢では、十代後半の大学生の方から、年配のご夫婦まで幅広い世代の方に、ご来店いただいています。

スポーツバイク、購入のポイントはサイズ選び。

シティサイクルには、細かいサイズの展開はありません。実際に跨がって安全に乗れれば大丈夫という感覚的に決めることが可能です。一方、スポーツバイクの場合はサイズがとても重要になります。靴に近い感覚ですね。例えば同じ種類のバイクでもXSからXLまでサイズが分かれています。適性身長の記載があるなど、サイズという特有の選び方がスポーツバイクにはあるのでそこはお客さまが一番戸惑われるところですね。自転車には乗っていたけど、スポーツバイクの乗り降りの仕方からギアの使い方など分からないというご相談も多いです。

劣化状態は条件によって変わるので、定期的なメンテナンスが必要。

メンテナンスで多いのは、ブレーキのゴムやタイヤ・チューブなどの消耗品類の交換などです。最近の傾向でいうと、「乗らなくなった自転車をもう一度使いたい」というメンテナンスが増えています。ただ、乗っていない期間や、それまでのメンテナンス状況によってはメンテナンスする金額と買い換える金額がさほど変わらない場合がありありますので買い換えた方が良い場合もあります。そのため、お客さまとご相談した結果、新しい自転車を購入する方もいらっしゃいます。

先ほどお話したようにコロナ禍で自転車通勤に切り替えて久しぶりに自転車に乗る方も増えましたが、保管状況によって自転車の劣化状況は大きく変わります。室内かマンションの駐輪場のように建物の中なのか外なのかなどで劣化速度も違ってきますので、久しぶりに乗る方はぜひメンテナンスをしてほしいですね。

例えばブレーキのゴムは、晴れの日のみや、平坦な道でしか乗らない方、あるいは体重が軽い方は思ったよりも減らないのですが、体格が良い方や筋肉質でグイグイペダルを漕ぐ方はブレーキの頻度が上がるので削れる量が多かったり、雨の日や坂道などで利用される方はあっという間に減ってしまいますので交換時期も早くなります。早い方は6ヵ月もしないで交換する場合もあれば、逆に往復5kmも乗らない方は1年以上持つ場合もあります。また、ゴムなので劣化により硬くなることもあります。そうすると効きが悪くなったり音が出ることもあります。

タイヤのチェックは週に1回、チェーンのオイル注しは月に1回が基本。

個人でできるメンテナンスで一番簡単で大事なのは、「タイヤに適正空気圧まで空気をいれましょう」ということです。お客さまからお話を聞くと1-2ヵ月は空気を入れていない方もいらっしゃいますが、タイヤに適正な空気圧が入っていないと、タイヤの減りが早まったり、グリップをしなかったり危険です。スポーツバイクの場合、最低でも1週間に1回は空気圧のチェックを行っていただくことをお勧めしています。あと、1ヵ月に1回ほどチェーンにオイル塗布していただければと思います。簡単なメンテナンスとしてはこの2点です。

趣味の一環としてメンテナンスを楽しめる方はご自身で行えば良いと思いますが、時間もかかるしやり方もわからないので面倒だと思う方は、お店にご相談いただければと思います。調子が悪いまま使用すると壊れてしまいますし、最悪の場合大きなけがにつながる場合がありますので早め早めにお店に相談して、適宜チェックしていくようにする。自動車の場合は定期的に点検するという感覚があるのですが、自転車においてはその感覚があまり無いようで、購入店への点検相談が気軽にできる方法だと思います。

大切なのは、相手の動きを予測して走行すること。

マナーについてお客様にお伝えしていることは、路上を走る乗り物ですので、交通ルールを意識して自転車に乗ってもらうということですね。最近は、信号を守らなかったり、歩道をかなりのスピードで走る、右側を逆走しているのをよく見かけます。皆さん交通ルールを気にされず自転車に乗られている方が多いのかなという印象です。
自動車やオートバイのように免許の制度がないものなので、我々販売店がバイクの販売時に交通ルールをご案内することや小学校・中学校の早い段階から交通ルールについてしっかり学ぶ機会を作ることが必要だなと思います。

普段から自動車やオートバイに乗られている方は、双方が危険な乗り物という認識があります。しかし免許を保有していない方や、免許は保有しているが普段は自動車に乗らない方など、双方の動きを意識して自転車に乗られていない方は注意が必要です。「相手の動きを予測して走行する」ことでかなり交通事故の率を減らすことができると思います。

まずは知ることから始める、自転車保険。

自転車保険加入の義務化についてですが、弊社のロードサービスに無料で付属する自転車保険を積極的にお話ししています。事前に何かしらの自転車保険に加入されている方もある一定数はいるのですが、加入しているという認識がなく、義務化について知らなかったという方もいらっしゃいます。普段から自転車に乗られていても、条例が施行されたのを知らなかったりと、まだまだ認知度が足りないのかなと思っています。自転車保険に加入しているのかわからないお客さまに対しては、重複してももったいないので一度お調べするようにお話ししています。

自転車保険加入義務化もそうですが、自転車専用レーンなど、国や各自治体が整備も進んでいますよ。日本は道路が狭いので仕方がないのかもしれませんが、自転車専用レーンへの路上駐車などまだまだ問題があり、発展段階といった印象です。これから交通ルールなどの意識が高まり、日本でもっともっと自転車文化が広がるとよいと思います。

PROFILE

八木 慧 
Y’s Road 新宿クロスバイク館 スタッフ
クロスバイク販売に10年以上携わり、自身も片道20kmの自転車通勤を行うほど自転車に対する幅広いノウハウを豊富に持つ。

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