みんなが自然と「たすけあい」を楽しめる瞬間を増やすには? でも、そんな社会はピンとこないし、どうしていいのかわからない。私たちこくみん共済は、そんな戸惑いに寄り添い、「たすけあい」をENJOYするための7つのヒントを掲げます。 今回は、ヒント5『たすけてくださいはプレゼント』をテーマに、ライターの高桑のりこさんに文章を書いてもらいました!

「困ったな……」と思ったとき、私は人にたすけを求めるのが苦手です。相手の時間を奪っているような気がして申し訳ないと感じたり、「そんなこと自分でやってよ」と思われないだろうかと先回りして考え、勝手に疲弊し「自分でやったほうが精神的に楽だ」と思ったりしてしまうのです。

しかし「たすけて」と言われて嫌だと感じたことはありません。「よくぞ! 声をかけてくれました!」と快く手だすけし、良い気分に浸るときすらあります。

誰かに「たすけてください」と言うことは、確かに「申し訳ない」ことなのかもしれません。しかし相手にとっては「頼ってくれて嬉しい」という気持ちや達成感が生まれたり、その空間を共有することで幸福感に包まれたりすることだってあります。
あなたはたすけてほしいとき、「たすけてください」と言えますか?
今回は「たすけてください」という言葉について考えてみたいと思います。

アニメの主人公はたすけられ上手?! 良き関係をつくる「たすけて」という言葉

小さい頃から慣れ親しんできたアニメを見ていると、登場人物たちが、実に良き関係を築いているのがわかります。 その関係を築く要素として「たすけること」「たすけられること」がとても重要な役割を担っているのではないかと思うのです

例えば「ワンピース」。
ルフィは船長でありながら、「俺は一人では何もできねー! みんなにたすけてもらわないと何もできねー! 」と公言します。そんな船?から「頼られる」ことで船員たちはモチべーションが上がり、心から戦いを楽しんでいるのが伝わります。 逆に、航海士であるナミが船?であるルフィに「たすけて……!」と言い、ルフィが「当たり前だー!」というシーンがあります。たすけを求められたルフィは「待ってました!」と言わんばかりに、仲間をたすけるため奮闘するのです。

ワンピースを見ていると、

リーダーが「たすけて」と言うことで、チームの士気が上がり、リーダーに「たすけて」と言うことで、リーダーは心から奮起するんだなと思います。

その中で良き関係がつくられ、絆が深まっているようにも感じます。 いつもは自分の力でなんとかする人が「ここぞ!」という場面で繰り出す「たすけて」は、相手に使命感を与え、ひいてはチーム全体の士気を高めることにもなります。

たすけられ上手は感謝の気持ちを伝えるのが上手

もう一つ例を挙げてみます。
国?的アニメ「ちびまる子ちゃん」に出てくる主人公の「まる子」は、「ドラえもん」の「のび太」と一位二位を争えるほどのたすけられ上手です。

家族間、友人間の「たすけて」は気軽に言えるものでありながらも、「心配をかけたくない」「申し訳ない」という気持ちが先に立ち、言い出せないことがありますよね。

でも、まる子は違います。
おじいちゃん、たまちゃん、はまじ、ブー太郎、果てには佐々木のじいさんにまで頼ろうとします。 「たすけてください」をナチュラルに使い倒すのです。

ここで疑問に感じるのは、過剰な「たすけて」は嫌がられるのではないか? ということ。

しかし現実社会にも「まる子」のような人はいますが、嫌われ者という感じはせず、むしろ愛されキャラである場合が多いものです

まる子もですが、そういう人って「感謝の気持ちを伝えるのが上手な人」なのではないでしょうか。

まる子はたすけてもらったとき

「あたしゃ嬉しいよ……」
「おじいちゃん、大好き」
「このご恩は一生忘れないよ……」

と、たすけてくれた相手に対して、言葉と態度で大げさなくらい感謝の気持ちを伝えています。

たすけてもらう側が「感謝を上手に伝える」ことで、相手は「たすけてよかった、役に立ててよかった」 と感じるのかも知れません。

改めて考えてみると、「たすけてください」という言葉には、「(たすけてくれて)ありがとう」という言葉がついてくることに気づきました。 「ありがとう」と言われて嫌な気分になる人はいないでしょう?

プレゼントとは、何もモノだけを指すのではありません。「ありがとう」は言葉のプレゼント。目には見えない温かい思いがギッシリ詰まっています。まる子は「ありがとう」という言葉のプレゼントを渡すのが上手なのです。

「たすけてくださいはプレゼント」?魔法のような言葉の贈り物

敬意を持って「たすけてもらう」先には「感謝がある」。感謝の先には「ありがとう」という言葉がある。

「ありがとう」は「有難し」という言葉が語源とも言われています。

「有難し」という言葉には「難が有る」という意味が隠れています。昔の人は、難が有ることを「有難き人生」と言いました。逆に難が無いことを「無難な人生」と言います。

『たすけてもらわないといけないような困難に出くわす事』『相手が困難に感じていることをたすける』 ということは、「難が有る」という事です。

困難に出くわさないことを誰もが望みますが、「難が有る」からこそ、一人ではどうにもできないこともあると知り、「感謝する心」を学ぶのではないでしょうか。

困難だと思える出来事によって人は、たすけあうことを学び、「ありがとう」と言い合うことが出来るのではないでしょうか。

そんな「ありがとう」と言い合える出来事や人生は、人間にとって最高のプレゼントなのかもしれません。

困ったとき、たすけてほしいときは気軽に「たすけて」と言ってみてください。 「たすけて」という、たった4文字の言葉の先には「ありがとう」という5文字の、魔法のような言葉の贈り物が待っています。

そんな贈り物を、お互い送り合える人間関係って素敵ですよね。