あらゆる事態を想定して、保障を準備
みんなで備えれば、大災害時も支え合える
※ 掲載内容は2021年3月の取材時点ものです。※ 感染症対策のため、取材はリモートで実施しました。
青木 仁市(あおき じんいち)さん
PROFILE
栃木県にある今のお住まいだけではなく、福島県の実家も被災した青木仁市さん。「被災したことで改めて保障の大切さを実感し、その必要性はさらに高まっていると思う」と語ってくださいました。労働組合で普段から組合員の皆さんに「備えの大切さ」について説いている方だけに、その言葉には重みがありました。
またいつ余震が来るかわからない中
車に泊まったあの日のこと
私は、栃木県の工場でガラス繊維の原材料を製造しています。東日本大震災が工場を襲ったとき、まず気になったのは大きなレンガ造りの溶解炉のことでした。この中には高温に熱して溶かしたガラス繊維が入っており、万一レンガが崩れたり溶解炉自体が倒れたりして中のガラス繊維が飛び出すと、大火災につながるからです。
しかしその心配よりも、「とにかく逃げないと建物自体がつぶれるかもしれない」と、身の危険を感じるほどの揺れでした。するとほどなく停電し、溶解炉の電源もストップしたので、揺れがおさまるのを待たずに急いで避難しました。目の届く範囲にいた十数名のスタッフは、蜘蛛の子を散らすようにバラバラに逃げました。それほどみんな慌てていたのです。
外へ避難してからもしばらくは余震が続き、会社の建物のガラスがたわみギシギシと音を立てていたほど。揺れがおさまると電気が復旧したので、溶解炉の中のガラスが固まって使い物にならなくなる前に、運転を再開しました。
家に帰ったのは20時ごろ。駐車場に着くと、愛犬とともに車に避難している妻の姿が見えました。無事だったことに安心すると同時に「もしかして中に入れないくらい家はダメージを受けているのかもしれない」と、嫌な予感がしました。しかし、妻は余震が怖かったため、万一のことを考えて車へ避難したようでした。その日は、冷蔵庫にあった食料だけ持ち出して車の中で食事をし、そのまま車中で寝ることにしました。
家の中は家財や壁が損傷。福島県の実家も大変なことに……
家の中の被害で、一番酷かったのはキッチンです。食器棚には飛び出し防止装置などはつけていなかったため、大部分が床に落ちてことごとく割れてしまい、足の踏み場もないほどでした。また、テレビは倒れて壊れており、外壁と室内の壁には、十数箇所ずつくらいの亀裂がありました。
このように自宅も大きな被害を受けていましたが、それ以上に気になったのは福島県にある実家の様子でした。
実家には、母と、兄の家族4人、計5人が暮らしており、震災直後、母に電話したときは、「屋根の瓦が少し落ちたけど、平気だよ」とのことで、「なんだ、こっちのほうがひどいな」くらいにしか思っていませんでした。
しかし、福島第一原子力発電所の事故で状況は一変。5人をいったん私の家に避難させました。その後、状況が悪化するにつれ実家にはもう戻れないと判断し、生まれた家は取り壊すことになってしまいました……。ふるさとを失ったようで落ち込みましたし、災害の恐ろしさと、自分の無力さを思い知りました。しかし母や兄家族、そして福島県の方たちが頑張っているのに、いつまでも下を向いていられません。万一への備えを行うなど、自分にできることはして、前向きに過ごすべきだと感じました。
掛金はみんなのために
再認識した、たすけあいの大切さ
こくみん共済 coop は、もともと職場の労働組合が団体生命共済に加入しており、私も労働組合で活動をしていたことからよく知っていました。被災後に当時の担当者に連絡をとり、調査に来てもらったところ、隅々までしっかりと見てくれたので安心しました。また、申請の手続きも簡単で、振り込みまで早く対応していただけたのがうれしかったですね。さすがは“たすけあい”を理念に掲げているこくみん共済 coop です。共済金も、「こんなに保障してもらえるんだ」というのが素直な感想でした。
労働組合に関わっていた私は、組合員からの意見を汲みとるのも仕事ですが、被災時の調査や共済金の振り込みなどに関して、組合員からの苦情などは私の耳に入ってくることはありませんでした。ほかの組合員もみんな、私同様に丁寧に対応してもらえたのだなと、うれしく思いました。
万一のときのために毎月の掛金を払っていても、実際に災害が起きて共済金を受け取るまではなかなかイメージしづらいものです。私自身も、「保障はあくまで備え」という感覚でした。しかし、いざ共済金を受給すると、「皆さんのおかげで助かった」と肌身で感じました。また、「自分がいつも払っていた掛金は、どこかで被災している方たちのために使われている」という“たすけあい”の意味に気づくことができました。自分が被害に遭うことで、掛金に対する捉え方が大きく変わりましたね。
さまざまな自然災害には
保障による備えが必要だと思います
東日本大震災以降は、我が家や周辺地域では、幸い大きな災害には見舞われていません。しかし、2021年2月に福島県沖で震度6の地震が起きたときは、会社の工場も一時停電したほど強い揺れだったので、以前のことが頭をよぎり、怖い思いをしました。
日本で暮らす以上、地震に備えることは不可欠です。
ただ海から離れている栃木県では、沿岸部に比べ津波のリスクは少ないかもしれません。
また、地震には、建物倒壊だけでなく火災のリスクもあります。
しかし、地震が原因で発生した火災は火災保障の対象外なのが現状です。
さらに、近年、全国的にさまざまな自然災害が多発していますから、地震以外にも風水害への備えも必要です。
さまざまな自然災害には、火災共済に自然災害共済を付帯し、備えることが必要だと思います。
私自身が、「万一の時の備え」として加入していた共済に助けられました。その経験から、職場の組合員にも日頃から「あらゆる事態を想定して、保障をきちんと備えてもらいたい」と伝えていますし、実際に保障を見直した組合員も少なくありません。
「備えあれば憂いなし」「後悔先に立たず」ですので、皆さんもぜひ必要な保障を備えてもらえたらなと、切に思います。