震災を乗り越えて。
69歳の今もなお、挑戦し続ける毎日。
※ご年齢等掲載内容は取材当時のものです。(2015年12月取材)
小林 利幸(こばやし としゆき)さん [69歳]
PROFILE
もう二度と体験したくない。
生まれて初めての大地震
これまで69年の人生を振り返ると、私は20歳のときに虫垂炎になったくらいで、幸いとても健康体です。妻も3人の娘も大きな病気はありません。家族ができて、死亡保障やがん保障に加入していますけど、事故や病気で入院でもしないと保障されませんから、これまで加入することのメリットは、実感としてはありませんでした。
全労済の火災共済に加入したきっかけは、あまり覚えておりません。なにしろずいぶん昔のことで。掛金が手頃なので、「火災共済や自然災害共済も一応加入しておこうか」くらいのつもりだったと思います。でも、あの震災の時「加入しておいて本当に良かった」と実感したことは、はっきりと記憶に残っています。
東日本大震災では、かつて経験したことのない強い揺れを感じました。私の住む地域は震度6強で、もう立ってはいられないほどです。家にいた私は、ペットのヨークシャテリアを急いで抱きかかえて、外へ逃げました。すると、動物の本能で危険を察したのか、私に抱きついて離れませんでしたね。
3人の娘は独立して宇都宮を離れていたし、妻は旅行で新潟におりました。自宅には私だけだったので、とにかくペットだけを連れて逃げたんです。
外は電柱もグラグラと揺れるほどで、しゃがみながら歩いて空き地まで向かうと、地域の人たちも集まってきました。余震もありましたし、またいつ大きな揺れが襲ってくるかわかりません。結局その日は空き地にクルマを移動させ、車内で一泊しました。
翌日家に戻ると、屋根瓦はほとんど落ちていて、室内はあらゆる物が散乱し、土足でないと中に入れないほどでした。しかも茶の間は床板が割れ、底が抜けたような状態です。
「これが我が家か。手の施しようがないな」と、愕然としたものです。
驚くほどスムーズだった全労済の対応。
気持ちだけはすぐに立て直すことができた
当時、電気や水は一時的にストップして、いつものような食事の用意はできませんでしたが、水は備蓄していたので事なきを得ました。2~3日後には、ある程度片付いて家で過ごせるようになり、全労済に連絡をしました。
すると、非常に素早く対応してくれました。東北地方はあのような状況になっているので、とても忙しかったはず。それでも3月24日には調査員の方が調査をしてくれました。認定は「半壊」となり、なんと31日には共済金が振り込まれました。
共済金の支払いまでがとてもスムーズだったので、気持ちもすぐに立て直すことができたし、早速家の修繕にとりかかれました。ただ、やはり家を建て直したり修繕したりする人が多く、大工さんも大忙しで人手不足のようでした。屋根の修繕を始められたのが8月、室内の修繕は12月に入ってからで、作業が完了したのは12月26日でした。屋根や茶の間などを中心に、壁にひびなども入りましたが、損壊部分の95%は共済金で修繕することができ、非常に助かりました。「備えあれば憂いなし」とは、よく言ったものです。本当にその通りだと思いました。年間2万円ほどの掛金で、こんなにも大きな保障がいただけるなんて、感謝の気持ちでいっぱいです。
今こうして元気に暮らせているのも、保障のおかげかもしれません。もし自然災害共済に加入していなかったら、まだ家の修繕に追われていたと思いますし、加入していなかったらと思うとぞっとします。災害や病気は突然身に降りかかってきますから、万一のときのための保障は大切ですね。