3月11日のストーリー

“今の時代、今の自分に合った備え”への
アップデートが大切

※ 掲載内容は2021年3月の取材時点ものです。
※ 感染症対策のため、取材はリモートで実施しました。
内桶 孝(うちおけ たかし)さん
茨城県在住
内桶 孝(うちおけ たかし)さん

PROFILE

茨城県日立市在住。3人の息子はそれぞれ独立し、現在は妻と2人暮らし。フィットネスクラブに通い筋トレや水泳を行い、体づくりに励む。一番の趣味は日曜大工。

2016年2月にも取材を受けていただき、東日本大震災当日の出来事などを語っていただいた内桶 孝さん。当時と変わらず、仲良しの奥さまとともに健康増進に努められていました。震災から10年経過した今、改めてご夫婦独自の備えに対する考え方を教えてくださいました。


2016年2月当時のストーリーはこちら

道路がうねり、信号の明かりが消えるほどの衝撃!
時計の針は、14時45分で止まっていた

あの東日本大震災から10年が経過したんですね。早いものです。

地震が起きた瞬間、私は運転中でしたが、生まれて初めて目にしたものが2つありました。ひとつは地震の揺れでうねる道路。そしてもうひとつは、明かりがぷっつりと消えてしまった信号機でした。

揺れがおさまると、辺りは先ほどの衝撃が嘘のように「シーン」と静まりかえりました。その後、フィットネスクラブにいた妻を急いで迎えにいき、自宅に帰りましたが、我が家がきちんと建っていたことに2人で安堵しました。倒壊しているのではないかと思うほどの激しい揺れだったからです。

ただ、家の中はあらゆる物が散乱していて、裸足では歩けないほどめちゃくちゃな状態。時計は壁から落ちて壊れ、「14時45分」で止まっていました……。

帰宅直後は、まだ東北の状況を知る前でしたから、自分の家のことでとにかく頭がいっぱいで、「どうやって片付けたらいいのだろう」と、途方に暮れましたね。

また、躯体がゆがんだのか、数箇所の部屋のドアが空きませんでしたし、玄関の枠や浴室のタイルが割れ、居間のガラス戸も割れてしまっていました。ほかにも床下に大きな亀裂があり、これから生活を送れるか心配になりました。

入念な調査に安堵。共済のおかげで私たちは救われた

震災直後は部屋を片付けたり、親戚の家に一時避難したりと慌ただしく時間が過ぎていきました。4月に入って少し落ち着き、こくみん共済 coop に加入していたことを思い出し電話したところ、すぐに職員の方が調査に来てくださいました。

調査員の方は、若くて元気な青年でした。柱を1本1本丁寧に見てくれて、微妙な曲がりや傾きを指摘してくれるなど、こちらが気づかなかった細部まで調査してくれました。何よりうれしかったのは、「この被害状況なので、共済金はこれくらいの額になります」と、その場で伝えていただけたこと。共済金の目安がすぐにわかったことで、被害のあった部分の修理を、保障でしっかりとカバーできると安心しました。申請の手続きも簡単で、半月後くらいには共済金が振り込まれたので本当に助かりました。


修繕工事では、割れてしまったガラス戸は壁に置きかえて補強。地面に大きな亀裂が入った床下は、コンクリートを流して全面的に補修することができました。修理が必要な部分が多く大変でしたが、保障のおかげで大部分が元通りになり、感謝の気持ちでいっぱいです。

何かあったときの保障や備蓄は
絶対に必要だと再認識

東日本大震災までは、我が家の周辺は基本的に自然災害とは無縁でしたから、まさかあんなことが起きるなんて思ってもいませんでした。ただ私の場合は、以前の職場で労働組合にたずさわっていたため、万一の備えのためにと思い、火災共済にプラスする形で自然災害共済にも加入していました。

同じような形で自然災害共済に加入している人もいましたが、なかには「うちはそんなに被害を受けていないから申請してない」という方もいました。ただ、私はすでに、こくみん共済 coop の職員の方の丁寧な調査を見ていましたから、「自己判断するのはよくない。些細なことでもきちんと対応してくれるから、見てもらったら?」とアドバイスをしたこともあります。

ますます増加し、規模も大きくなる自然災害
さらに強固な備えで準備をしたい

近年、自然災害がとても増えていますし、規模も大きくなっている気がします。2021年の2月には、茨城県日立市で震度5弱の揺れを感じました。東日本大震災の再来かと思ったほどです。

いつやってくるかわからない災害に対して、できることは日々の備えだと思います。東日本大震災の修繕時にあわせて、家の補強を行っていましたし、趣味の日曜大工の腕を活かして、タンスや戸棚などの大きな家具に転倒防止装置を取り付けたり、補強を施していました。そのおかげで、今回の地震では物が倒れることがありませんでした。

補強や備蓄など必要なものは色々ありますが、私がもっとも大切だと思うのが「体力にあった備え方」です。私も妻も70代後半。私はこの5年間で、脳梗塞などの大病も経験しました。10年前に比べるとやはり体力の衰えを感じますが、万一の時に動けなくなって周りに迷惑をかけることがないよう、フィットネスクラブに週3回通い、健康を維持できるように努めています。

また、災害時の避難では多くの物は持ち運べないので、薬や保険証などの貴重品は小さなバッグに入れて携帯できるようにしたり、非常食は持ち運びやすいよう小分けにしたりと工夫しています。妻ともたびたび相談し、今必要なものを備えられているか、どこに何を備蓄しているかなどを確認しています。1回準備したら終わり、ではなく、今の自分の体の状態にあった備えが肝心ですね。保障の内容だって、今の自分にあっているか、定期的に見直すことは大切だと思います。

地域ぐるみで備えるという姿勢が大切
人との関係づくりが安心につながる

さらに私たちが普段から心がけていることは、近所の方々や地域の方々とのコミュニケーションです。妻は情報にとても敏感なので、その時々に見聞きした有用な情報は近所の方々にも伝え、万一の時の災害や、普段からの健康づくりについて情報共有しています。

このように、私たちの地域では日頃からの人間関係を大切にすることで「たすけあいの仕組み」をつくっています。地域の民生委員の方からの依頼もあり、近所の一人住まいの高齢者には何もない時でも声をかけたり、万一の際は一緒に避難するなど、地域ぐるみでサポート体制を整えているんです。ご近所同士で普段から良い関係を構築していれば、何かあったときにも協力しあうことができますよね。自然災害に対しても「たすけあい」の心で、お互いに支え合っていきたいものですね。

こくみん共済 coop 関東統括本部の取り組みについて

レインボー・バトン運動

全力であなたを応援。

声をかける。手をさしのべる。誰かの力になる。
私たちにできる事を「レインボー・バトン運動」を通じ実現する、
そんな想いから生まれた、組合員の皆さまを支える運動であると同時に
皆さまの夢や希望、元気や勇気の力となる象徴として東京マラソンを応援しています。