#今できるたすけあい
コラム

「外出自粛」より、僕らTwitter民は「#家にいるだけで世界は救える」で行動する。

※この記事は2020年4月16日に執筆したものです。

Twitterは時折、思いもしないことが起きる。

新型コロナウイルスが世間を騒がしているさなか、僕らTwitter民のツイートが、ほんの少し世界を救う一助になれた出来事が起きた。

「#家にいるだけで世界は救える」。Twitterでつながっている人たちからの広がりで、このハッシュタグがTwitter Japanの公式ハッシュタグフラグ(言葉を入れると自動で絵文字が出るタグ)に認定された。

きっかけは一つのツイートからだった。3月末、僕はTwitterのタイムラインに流れる洪水のようなコロナウイルスの情報にモヤモヤしていた。正しい情報は何か? 何が起きているのか? 事実は何だ? その情報洪水の中で最新のニュースや様々な専門家の考察を眺めていた。

そんなさなか、「不要不急の外出自粛」という今まで聞いたこともない言葉が目に入ってきた。「不要不急」とは何だろうか? そもそも僕らの毎日の仕事や日常生活は「不要不急」に当てはまるのだろうか……。言葉の定義や背景が不安定なまま、その言葉だけが先走っているように感じた。

海外の情報に目をやると、個人の日常や仕事を優先している状況ではないことが理解できた。諸外国に比べれば、日本の影響が軽微といった論調もあったが、思っているより事態は深刻なようだ。しかし、少しひねくれた視点を持っていた僕は「自粛」という言葉は、良心に頼り自ら進んで行動を慎む意味であり、そもそも行動を規制するのではなく、「自粛」を要請すること自体に違和感を感じていた。

そんなモヤモヤを抱えていたとき、ふと北風と太陽の童話を子どもに読み聞かせしていたことを思い出した。

僕は普段、企業の“マーケティング“部門で仕事をしている。北風と太陽の教訓はマーケティング視点でも重要な教えを与えてくれる。北風のような恐怖訴求で人の行動を変えるよりも、太陽のように自ら行動を促す方が結果を生み出す。

そんな北風と太陽の童話を思い出していたとき、こんなツイートが目に入ってきた。

僕がモヤモヤしていたことを、まさに言語化してくれたツイートだった。

せっかくならとまんちゃさんのツイートを基に、Twitter上で過去に盛り上がっていた「マンションポエム」という方式に則り、フリー素材とコピーを組み合わせたツイートをしてみた。「少しは共感されるかな?」と控えめに思ってのツイートだった。

ちょっとした裏話だが、最初のツイートにはハッシュタグを入れていなかった。ただ純粋に「僕ならこういうポスターを作って、家にいてほしい思いを伝えるかな」と思っての行動だったので、一番バズったツイートにはタグを入れ損なっていた。

思った以上に反響があったので、その日の夜に再び別バージョンの画像をつくり、「#家にいるだけで世界は救える」とハッシュタグをつけて投稿した。それが、冒頭のツイートだ。

すると、家にいることをちょっと工夫を凝らしてツイートしてくれる人がでてきた。僕と同じように「不要不急の外出自粛」という北風より、太陽のように「ポジティブに家にいることを自ら選択したい」と共感してくれたツイッタラーさんが多くいて、その輪はどんどん広がっていった。

後で振り返ってみても、Twitter民のクリエイティブセンスとスピード感は素晴らしいと思う。非常に楽しくツイートを観させていただいた。

Twitterでオリジナルタグが広がったのには、ほぼ同じ時間にヒカキンさんが「#うちで過ごそう」というタグつきの投稿をしていて、“「外出自粛」をポジティブに捉えよう!“という大きな流れが起きていた背景もある。

3月末に僕らがツイートしたハッシュタグは、手を離れて広がっている。

命に関わる緊迫した状況の中で、そんな生ぬるいコトを言っていないで、強制力を持って外出を禁止すべきという意見もある。僕も「必要なとき以外は外出しちゃだめだよ」と家族に伝えている。

とはいえ、命令され、規制されていると感じると、人は強いストレスを感じてしまう。そう思うのは、子育ての影響が大きいかもしれない。子どもは恐怖で規制し命令して従わせるより、ポジティブに褒めてその行動に価値があることを伝える方が結果的に素早く行動に移ることが多い。

だからこそ「仕方なく外出を自粛して、本当は外に出たいのを我慢させられている」と不満を抱えながら時間を過ごすより「今、僕らはこの時間を家で過ごすことで世界を救っているのだ」と前向きに「家にいる」を実践して欲しいと思う。家で寝てるもよし、ゲームするもよし、本を読むもよし。みんな世界を救うためのヒーローなのだ。

こんな未曽有の状況の中、医療従事者の方、外へ仕事に出ざるを得ない方、ライフラインを守るために従事している方、そんな親御さんを支援するために休めない保育園の方々を守るためにも、可能な限り、「#家にいるだけで世界は救える」。家にいるだけであなたの大切な人は救える。そして、僕らはTwitter民は現状を憂うより、日常にあるポジティブな出来事をツイートすることで、目にした誰かの日常にちょっとでも笑顔を届けられると思っている。先は長いが、みんなで実践していこう。

(写真:藤里一郎 X(旧Twitter)→@shameraman 編集:はつこ)

みる兄さん

ビューティ系でSNSマーケティングとECと広報・PRの責任者。経営戦略部門でデジタルとブランディングを繋ぐため疾走してます。X(旧Twitter):@milnii_san

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