#今できるたすけあい
コラム
たすけられ、たすけ食べていく。東京の私と各地の生産者さんのたすけあい。
※この記事は2020年4月13日に執筆したものです。
こんにちは。
旅するおむすび屋の菅本香菜です。
“おむすび屋“と言いながらも店舗は持っておらず
東京拠点に全国各地を巡りながら、その土地の食材を使って
おむすびを結ぶワークショップを開催しています。
通常であれば月の半分は地方で仕事をしている私ですが
新型コロナウイルスの影響を受けて
この1ヶ月は東京から出ていません。
楽しみにしていた仕事は次々と無くなり、
地方へ遊びに行く予定も、全てキャンセル。
さみしさや不安が少しずつ募る中でもコロナウイルス感染拡大の勢いは増し、
とうとう週末の外出自粛要請が発表された日のことです。
散歩の帰りに夕飯用の食材を買おうとスーパーへ向かうと
信じられないくらいの長蛇の列ができていました。
「食べ物が手に入らなくなるかもしれない」
「買い物に次いつ行けるか分からない」
という不安からくる買い物の列でした。
私は買い物を諦め、その日は自宅にあるもので食事を済ませました。
翌日以降も、なるべくスーパーには行きたくなかったので
地方から食材を送ってもらうことに。
まずは新潟のお米屋さんに電話しました。
「東京での自炊生活が長引きそうなので、お米を送ってほしくて」
と伝えると
「今、東京は大変だよね……!
おかずもたくさん準備できないかもしれないから
しっかり食べ応えのあるお米を2種類と、
それだけじゃ飽きてしまうかもしれないから
あっさりしたお米も1種類入れてみるね」
次は、生産者さんの取材をさせてもらった宮崎。
「スーパーで買い物できないんですか!
旬の野菜を詰め合わせて送りますね。
今の時期、野菜いろいろあるから任せて!」
“食料を手に入れなきゃ“という、
焦る気持ちで電話したはずだったのに
電話を切ったときには“家での楽しみが増えた!“と
ワクワクしている私がいました。
数日後、お米や野菜などが届きました。
そして連絡していなかったのに宮城や兵庫の海苔漁師さんからも
海苔やそのほかの食料がたくさん送られてきました。
「体には気をつけて。お米の食べ比べ楽しんでみてね」
「また遊びにきてください」
「震災のときに色んな人にたすけてもらったから。
食べ物が必要なときは遠慮なく言いなよ。
たくさん送るから、必要な人がいたら分けてあげて!」
「元気だして!」
それぞれにメッセージが添えてあって、
嬉しくて涙が出そうになりました。
家の中でひとりでも、ひとりじゃない。
生産者さんから直接食べ物を届けてもらったことで
孤独や不安な気持ちが薄れましたし、
おうちごはんはとても豊かな時間になりました。
精米したてのお米を炊く香り、
収穫したてのみずみずしい野菜の彩りなど、
キッチンに立つのが楽しみに。
その後、SNSなどを見ていると
生産者さんの中にも困っている方がいることが分かりました。
卸先の飲食店が一時閉店したり
出店予定だったイベントが急に無くなってしまったり。
今では、困っている生産者さんから
積極的に食材を購入するようにしています。
温かい気持ちになれて
新鮮でおいしい食材で食卓も彩れて、
そして、少し力にもなれる。
そんな「たすけあい」が生まれています。
いつもは目を向けることが少ない暮らしの裏側。
こんなときだからこそ少し意識して繋がってみることで、
得られる安心感があるはずです。
今は生産者さんに知り合いがいないという方も、
生産者さんから直接食材を購入できるサービスがあります。
困っている生産者さんが分かるように表示してくれているものもあるようです。
ぜひ活用してみてはいかがでしょうか?
<生産者から直接食材を購入できるサイト紹介>
◎ポケットマルシェ
https://poke-m.com
◎食べチョク
https://www.tabechoku.com
※共に新型コロナウイルスの影響で困っている生産者さんの表示あり(2020.4.13時点)
(写真:藤里一郎 X(旧Twitter)→@shameraman 編集:はつこ)
菅本香菜
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