お話を聞いた人
PROFILEプロフィール
女優・インフルエンサー
増田 樹乃ますだ じゅの
2001年、埼玉県生まれ。昭和レトロを中心に古着約3,000着を活用した独自の世界観を武器に、老舗企業・地域・文化の魅力を映像とSNSで発信している。
- @juno.726
CONTENTS
#1
夢を抱いて歩き始めた道
— その先に横たわっていた迷い
「映像の世界で、ずっとお芝居を続けていきたい。」
増田さんの胸の奥に宿っていた夢は、澄んだ水のように迷いなく輝いていた。
幼い頃からバレエの舞台に立ち、宝塚歌劇団やミュージカルに胸を焦がした。表現の世界に自分の居場所がある——その確信だけを頼りに、高校時代、芸能活動の扉を開いた。
しかしその光を頼りに歩き出した先は、予想以上に霧が濃かった。
コロナ禍で現場は動かず、オーディションの機会も途絶える。
前に進みたいのに、進めない。
どうすれば夢に近づけるのか。
正解のルートは誰も教えてくれない。
悩んだ末に選んだのは——
自分という存在を、まず知ってもらうこと。
「どうしたら女優として活動できるんだろうか、と自分なりに考え、そうだ、SNSで私を知ってもらおう。令和の時代なら、個人の発信で未来を切り拓けるかもしれないと思ったんです。」
そう信じて始めたのが、“昭和レトロ”の世界観を軸にしたSNS投稿だった。

だが、現実は静かだった。
数字は伸びず、手応えもない。
「インフルエンサーになりたいわけじゃない。私は本当に女優になれるの?」
問いかけ続けた5年という歳月は、決して短くなかった。
それでも歩みを止めなかったのは、昭和という文化に触れたときに芽生える“説明できない懐かしさ”が、確かな灯火のように心を照らし続けたからだ。
振り返ると、その種は遠い日の記憶の中にあった。
祖母から譲られたワンピースの優しい布地。
『男はつらいよ』のスクリーンに漂う人情の温度。
「あるとき祖母から譲り受けたワンピースが本当に素敵で、そういうところからも”昭和レトロ”で発信し続けたいと思っていました。」
すべてが、記憶の深いところで静かに呼吸していた。
#2
昭和カルチャーとの
“共鳴”が育てた
唯一無二の世界観
いま多くの人が惹かれる彼女の世界観は、流行の延長ではない。
むしろ、原点への回帰が生んだ必然だ。
昭和の職人が一針ずつ魂を刺し込んだ洋服。
映画に漂う湿度や息づかい。
「古さではなく、美しさがあるんです。触れた瞬間、当時の人の想いや温度が伝わってくるようで。」
彼女の部屋には約3,000着の古着が並ぶ。
単なるコレクションではない。
いずれは求める人の手に届けたいと、一着一着を大切に保管している。
夏場は24時間空調をつけてでも守りたい。
そんな愛情と覚悟が、彼女の表現を奥行きあるものにしている。

#3
迷いの時期を越えて確立した
“主役は自分”という価値観
長い迷いの森を抜けた先で、増田さんの中にひとつの哲学が芽吹いた。
「自分の人生の主役は、自分。」
比較すべきは他人ではない。
自分のレッドカーペットを、自分のペースで歩けばいい。
すると、不思議なくらい雑音が静まり、景色が澄んで見えるようになった。

転機となったのは、ある人から贈られた言葉。
「見返りを求めず、無心で与え続けることが大事。」
その言葉は、彼女の仕事にも人間関係にも、新しい光を灯した。
返ってこなくてもいい。
誰かのために心を尽くした行為は、思わぬ形で巡り、やがて柔らかな温度の輪となって返ってくる。
迷ったときは、
小さな一歩に集中し、
自分のワクワクを信じ、
“今日を生き切った”と思える自分でいる。
家族や愛犬、そして“好き”を手放さなかった自分自身。
それらは彼女の人生の屋台骨として、ずっと傍らで支えている。
#4
女優として
世界に羽ばたくために
— 次のステージへ
SNSで注目されるようになった今も、夢の航路はまだ途中だ。
「いつか国内外で賞をいただけるような女優になりたい。」
夢がある限り、ワクワクが消えない。
「うまくいかない時もあったし、多分回り道もしました。でも、絶対成し遂げるぞ!という想いを持ち続けたからこそ、今があるんだと思います。」
昭和への敬意、本物を愛する姿勢、自分の人生を自分で選ぶ覚悟。
そのすべてが、彼女の表現を深く豊かなものにしている。

「まだ目標の途中なんです。」
そう微笑む横顔はしなやかで、でも確かに未来を見つめている。
#5
読者へ伝えたいこと
— ときめきは、あなたの未来を拓く道標
読者へのメッセージを尋ねると、彼女は迷わず言葉を綴った。
「やりたいことが見つからない、という相談は多いです。でも、誰の中にも必ず、心がふっとワクワクする瞬間があると思うんです。」
大きな目標でなくていい。
小さな“ときめき”こそが、未来の扉を静かに押し開ける力になる。
「好きだから続けたい。好きだから大切にしたい。」
その純度の高い想いは、時に理解されにくい。
けれど彼女は、その“好き”を手放さなかったからこそ、今日という地点に立っている。
そして最後に、彼女はこう語った。
「情熱は、あなたを決して裏切らない。」
「遠回りでも迷いながらでもいいから、心が惹かれる方向へ素直に歩いてみてください。」
それこそが、自分の人生の軸となり、未来の形をつくっていく。
「正解はひとつじゃない。自分の道も、責任も、そして楽しさも、すべて自分で選んでいいんです。だから、自分らしさを閉じ込めないでほしい。」
――“自分の人生の主役は、自分。”
その決意さえあれば、どんな一歩もあなたらしい未来へつながっていく。
増田さんは、そう信じるすべての人の背中を、静かに、そして力強く押し続けている。


Juno masuda
- この記事は、あっとmagazine編集部が取材をもとに、制作したものです。
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photo 佐藤創紀
2026/04/01
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