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労災保険の社会復帰促進等事業とは(約5分で読めます)

2026/7/31配信

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 労災保険(労働者災害補償保険)では、業務や通勤により病気やケガをしたときなど(以下、「被災」といいます)に保険給付を受けられることはよく知られていますが、このほかに、被災した労働者の社会復帰などを支援する社会復帰促進等事業も行っています。社会復帰促進等事業は「社会復帰促進事業」、「被災労働者等援護事業」、「安全衛生確保等事業」の3つで構成されています。それぞれの内容についてみていきましょう。

 

■社会復帰促進事業

 1つ目の「社会復帰促進事業」は、被災した労働者の円滑な社会復帰を促進するために行われます。被災した労働者のアフターケアの実施や、義手・義足・車椅子の購入費用などの支給が主な事業で、たとえば次のものがあります。

・「特殊疾病アフターケア実施費」:せき髄損傷や精神障害など20の病気やケガを対象として医療機関で受診したときの費用や、アフターケアのための通院にかかった費用が支給されます。

・「義肢等補装具支給経費」:被災により失ったり障害が残ったりした腕や足のための義手・義足などの補装具について、その購入などにかかった費用が支給されます。

・「外科後処置等経費」:被災した労働者の病気やケガが治ゆした後に行われる再手術など、外科後の処置でかかった費用が支給されます。

 

■被災労働者等援護事業

 2つ目の「被災労働者等援護事業」は、被災した労働者とその遺族を援護するために行われます。重度に被災した労働者に対する介護の実施や、遺族の就学などについての援護費の支給が主な事業で、たとえば次のものがあります。

・「労災ケアサポート事業経費」:在宅介護や看護などが必要となる重度に被災した労働者に対して、看護師などが訪問支援します。

・「労災就学等援護経費」:労災年金を受給する人とその子弟に対して、学校などに在学する場合の就学にかかる経費や、未就学児を幼稚園・保育所などに預ける場合の保育にかかる経費が支給されます。

・「休業補償特別援護経費」:労働基準法にもとづいて使用者が行う休業3日目までの休業補償について、事業場の廃止などやむを得ない事由で休業補償を受けることができない被災した労働者に対して、休業補償3日分相当額が支給されます。

 

■安全衛生確保等事業

 3つ目の「安全衛生確保等事業」は、労働者の安全と衛生の確保などをするために行われます。農業や工業などに分類されない第三次産業についての労働災害防止対策支援事業や、未払い賃金の立替払い事業などが主な事業で、たとえば次のものがあります。

・「第三次産業等労働災害防止対策支援事業」:転倒や腰痛など、労働者の作業行動による労働災害が多発している小売業や介護施設など(第三次産業)において、自主的な対策を促進するため、事業者による好取組事例を共有します。また、中小企業を対象に、高年齢労働者の安全衛生対策の導入にかかる費用の一部を補助する「エイジフレンドリー補助金」事業を実施します。

・「未払賃金立替払事務実施費」:企業の倒産にともなって賃金が支払われないまま退職を余儀なくされた労働者に対して、その未払い賃金の一部を事業主に代わって立替払いします。

・「過重労働の解消及び仕事と生活の調和の実現に向けた働き方・休み方の見直し」:生産性を高めながら労働時間の縮減などに取り組む中小企業事業者などに対して、助成金を支給します。

 

 社会復帰促進等事業は、PDCAサイクル(PLAN(計画)、DO(実行)、CHECK(評価)、ACTION(改善))にもとづき、厳格に目標管理が行われています。年度ごとに設定された目標を達成したかどうかを翌年度にチェックし、達成することができなかった事業についてはその理由を分析し改善策が講じられることになっています。

労働災害には誰しも遭いたくないでしょうが、万が一被災したときには労災保険を十分に活用し、速やかな社会復帰を目指したいものです。

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