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親権と養育費に関するルールが見直されました(約5分で読めます)
2026/5/29配信
2026年4月より、親権と養育費に関するルールが見直されました。離婚後も父母が適切なかたちで子を養育する責任を果たし、子の利益を確保することがその目的とされています。見直されたルールのなかで特に知っておきたいのが、親権と養育費に関することです。
■離婚後の親権
(1)共同親権も原則可能に
婚姻期間中は父母がともに親権者となり、子の面倒を見たり(監護・教育)、財産を管理したりする必要があります。これまでは離婚後はどちらか一方のみが親権者となりましたが、今回の見直しにより父母がともに親権者となる(共同親権)か、どちらか一方のみが親権者となる(単独親権)かを話し合って決めることができるようになりました。すでに離婚している場合も、家庭裁判所に対して父母がともに親権者となることや親権者を変更することの申立てをすることができるように見直されています。
不仲などが原因で離婚し、きちんと話し合いができない状況などにあるときは、家庭裁判所が親権者を決めることになります。父母をともに親権者とするか、どちらか一方のみを親権者とするかは、父母と子の関係や父と母との関係などを考慮し、子の利益の観点から判断されます。たとえば、どちらか一方のみを親権者とするのは、子への虐待やドメスティックバイオレンス(DV)のおそれがあるときなどです。親権者が決まった後も、子の利益のために必要があると認められれば、子や親族などの請求にもとづいて家庭裁判所は親権者の変更をすることができます。
(2)親権の行使
父母がともに親権者となると、子の転居や進路に影響する進学先の決定などについて、共同で親権を行使します。ただし、子に緊急の医療行為を受けさせる必要があるときや、虐待やDVから避難させるときなどは、父母のどちらかが単独で親権を行使することができます。子の短期間の観光目的での旅行や高校生の放課後のアルバイトの許可など、子の監護・教育に関する日常の行為も同様です。
■離婚後の養育費
(1)優先権(先取(さきどり)特権)の付与
離婚後も安心して子育てをするためには、養育費は欠かせないものです。これまでは、取り決めた養育費の支払がなかったときに支払義務者の財産を差し押さえるためには、公正証書や調停調書など(債務名義)が必要でした。今回の見直しにより養育費に「先取(さきどり)特権」という優先権が与えられたことで、公正証書や調停調書などがなくても、養育費の取決めの際に父母の間で作成した私的文書にもとづいて財産を差し押さえることができるようになり、ほかの債権者に優先して弁済を受けることができるようになりました。先取特権の上限額は子1人あたり月額8万円で、2026年4月以降の養育費に限ってその権利が与えられます。
(2)法定養育費の新設
養育費の支払を請求するためには養育費の額についての取決めが必要でしたが、その取決めがなくても離婚したときから一定額の法定養育費を請求することができるようになりました。法定養育費の額は子1人あたり月額2万円で、2026年4月以降に離婚した場合が対象です。ただし、法定養育費はあくまでも子の最低限度の生活を維持するためのものですので、養育費の額を取り決めるまでの暫定措置となります。
家庭裁判所が親権者を決める際に、精神的なDVなどを見過ごしてしまう心配があり、そのようなことがあると子の利益は確保されません。我が子かどうかにかかわらず、子が幸せに過ごすことができるよう地域全体できちんと見守りたいものです。
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