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スタグフレーションって何?(約4分で読めます)
2025/2/28配信
「スタグフレーション」という言葉を耳にしたことはありますでしょうか。世間に広く認知された言葉とまでは言えないようですが、この機会にその意味を確認してみましょう。
■スタグフレーションとは
スタグフレーションとは、「stagnation(景気停滞)」と「inflation(インフレーション)」を合わせた言葉で、「景気後退と物価上昇が同時に進行している状態」を指します。通常、景気が良ければ消費者の購買意欲が高まることで物価は上昇し、景気が悪ければ消費者の購買意欲が低下することで物価は下落すると考えられます。
スタグフレーションでは、経済成長の停滞もしくは後退によって賃金が増えない中で、物価だけは上昇し続ける最悪のシナリオとなります。
■インフレやデフレとの違い
スタグフレーションと似た言葉に「インフレ(インフレーション)」と「デフレ(デフレーション)」があり、インフレは物価が上昇し続ける状態を指し、デフレは物価が下落し続ける状態を指します。近年は、食料品や日用品を中心に販売価格の上昇が続いていますが、日本経済はこの四半世紀の間、デフレにあると言われ続けてきましたので、デフレやその逆の状態であるインフレはイメージしやすいのではないでしょうか。一方で、景気後退と物価上昇が同時に進行するスタグフレーションの状態は経験したことがない人も多く、イメージしにくい方もいらっしゃるかもしれません。
■スタグフレーションが発生する要因
スタグフレーションは、原材料費の高騰や供給不足などによって発生する可能性があります。スタグフレーションの代表例とされるのが、1970年代のオイルショックです。当時、原油価格の高騰によってトイレットペーパーや日用品の供給不足が相次ぎ、戦後初のマイナス成長になると同時に、対前年比20%を超える大幅な物価上昇にも見舞われました。日本はこのときスタグフレーションの状態にあったとされています。
■スタグフレーションが家計に与える影響
この先、スタグフレーションが発生するかはわかりませんが、もし、スタグフレーションになれば、貨幣価値が減少(目減り)するなかで消費行動は抑制されるでしょう。現金を持っていても必要なものを必要な分だけ買うことができないあるいは、必要な分を買うことができても生活に余裕がなくなる可能性があります。いずれにしても、家計は圧迫され、消費者にとって非常に厳しい経済環境といえます。
個人でスタグフレーションを克服するのは困難ですが、有事にあっても資産価値が目減りしにくい金や景気に連動しない円貨以外の貨幣での運用を組み込み、リスクを分散させることなどが検討できます。
世界情勢が混迷を深める中で日本経済の先行きは依然不透明なままです。どのような状況になっても慌てないで済むように、いまから心がけておきたいところです。
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