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知って得する豆知識>空き家に係る譲渡所得の特別控除はどう変わる?

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空き家に係る譲渡所得の特別控除はどう変わる?(約5分で読めます)

2023/10/31配信

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 親の亡き後、相続した実家が空き家になってしまうのは決して珍しいことではないでしょう。しかし、家屋をそのまま放置していると、外壁や屋根の落下や害虫の繁殖など劣化や腐食が進むだけでなく、不審者が出入りしたりするなど近隣の環境や治安の悪化につながることもあります。また、維持するだけでもコストがかかり、売却するとなれば仲介手数料や税金などまとまった費用がかかります。そこで利用を検討したいのが「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」です。

 

■特例の概要

 「空き家に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、亡くなった方(被相続人)の自宅を相続した相続人が、自宅の家屋や敷地を売却したときに売却益から最高3,000万円を控除することができる特例です。この特例を適用することができれば売却益が小さくなり、特例の適用を受けないときと比べて税金の負担が軽くなります。特例の主な適用要件は次のとおりです。

 

・相続直前において亡くなった方の1人住まいであったこと(老人ホーム等で亡くなった場合でも所定の要件を満たすときには適用可)

・相続開始から3年後の年末までに売却すること

・昭和56年5月31日までに建築された家屋であること。また、区分所有建物登記がされていないこと(マンション等でないこと)

・家屋を取り壊して更地にするか、耐震基準を満たす工事等をして売却すること

・相続時から売却時まで、事業用、居住用、貸付用に使っていないこと

・売却価額が合計で1億円以下であること

 

 平成28年にスタートしたこの特例は、利用を一層促進するため令和5年度税制改正で内容の見直しが行われ、適用期限も令和9年末まで延長されました。

 

■令和5年度税制改正での主な見直しポイント

 令和5年末までの売却については、売却前に耐震基準を満たす耐震工事をするか、家屋を取り壊さなければなりませんが、令和6年以後は、売却後、翌年2月15日までに買い手が取り壊し工事を行っても適用を受けることができるようになります。これにより、相続人が売却前に工事費用を用意する必要がなくなるため、より利用しやすくなるものと考えられます。

 一方で、令和5年末までの売却については、取得した相続人の数にかかわらず1人当たり最高3,000万円を売却益から控除することができますが、令和6年以後は、取得した相続人の数が3人以上の場合には、1人当たり最高2,000万円に引き下げられます。したがって、控除額は、相続人の数が2人であれば「3,000万円×2人=6,000万円」、相続人の数が3人の場合も「2,000万円×3人=6,000万円」となります。

 

■適用を受ける予定があれば計画的に。留意点の確認も必要

 積極的に活用したい特例ですが、マンションについてはそもそも適用を受けることができません。また、相続人が相続後に住んだり貸したりすると適用を受けられなくなるため、特例の適用を受ける可能性があるときは利用を控えておかなければなりません。特例の適用を受けるには、市町村から、相続後から売却まで空き家であったことの確認を受けて、確定申告までに証明書を発行してもらう必要があります。

 なお、この特例は、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」など、住んでいた自宅を売却した場合の特例とは併用が可能ですが、売却した相続財産にかかっていた相続税相当額を控除できる「相続税の取得費加算の特例」とは併用できません。

 特例の適用を受けるのであれば計画を立てて進めていく必要があります。税理士等の専門家や税務署に相談してみるとよいでしょう。

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