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2023年度は老齢基礎年金の額が2つになります(約6分で読めます)

2023/3/31配信

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 2023年度の老齢基礎年金の額(満額)は、67歳以下の人(新規裁定者)と68歳以上の人(既裁定者)で異なります。 年金額が決まる仕組みなどを確認しましょう。

  

■新規裁定者は「賃金変動」、既裁定者は「物価変動」

 老齢基礎年金は、一般に65歳から生涯にわたり受け取ることになりますが、65歳で年金をはじめて受け取る人や受け取り始めてから1~2年程度など年数があまり経っていない人(新規裁定者)は、現役世代の賃金の動きが年金額に反映されるよう「賃金変動」を基準として年金額が決まります。「賃金変動」による改定率は、2年度前から4年度前までの3年度平均の実質賃金変動率と前年の消費者物価指数の変動率などから算出し、2023年度は2.8%となりました。

 その一方で、65歳で受け取り始めてから4年度目以降の人(既裁定者)は、現役時代の生活から年金暮らしの生活へシフトしてしばらく経っていることもあり、世の中の物価の動きにあわせるよう「物価変動」を基準として年金額が決まります。「物価変動」による改定率は前年の消費者物価指数の変動率とされ、2023年度は2.5%となりました。ただし、年金制度の支え手である現役世代の賃金の動きを優先し、「賃金変動」が「物価変動」を下回るときには、既裁定者の年金額も「賃金変動」を基準として決まります。

 本来はこの2つの基準で年金額が改定されますが、少子高齢化が進むなかで2004年の年金制度改正により「マクロ経済スライド」が導入されました。

 

■マクロ経済スライドによる調整

 マクロ経済スライドとは、公的年金の被保険者数の変動と平均余命の伸びにもとづいて「スライド調整率」を設定し、「賃金変動」・「物価変動」がプラスとなる場合に、「賃金変動」・「物価変動」による改定率から「スライド調整率」の分を控除するものです。現役世代の将来の年金の給付水準を確保することが目的とされています。

 2023年度の年金額の改定においては、新規裁定者と既裁定者のいずれも改定率がプラスとなったため、2023年度のマクロ経済スライドによる調整(▲0.3%)と、2021年度・2022年度のマクロ経済スライドの未調整分(翌年度以降への繰り越し分)による調整(▲0.3%)が行われることになりました。最終的に新規裁定者の改定率は前年度比2.2%のプラス、既裁定者の改定率は1.9%のプラスとなり、2023年度の新規裁定者の老齢基礎年金の額(満額)は795,000円、既裁定者は792,600円となりました。

 参考として2022年度は、「賃金変動」と「物価変動」による改定率がいずれもマイナスとなり(マクロ経済スライドによる調整はされず)、「賃金変動」が「物価変動」を下回ったため、既裁定者の年金額も「賃金変動」を基準としています。(2022年度の老齢基礎年金の額(満額)は、新規裁定者と既裁定者のいずれも777,800円)。

 マクロ経済スライドによる調整で高齢世代の年金の給付水準を抑えることは、現役世代の将来の年金の給付水準を確保することにはつながるでしょうが、この調整によって前年度よりも年金額を下げないという措置は維持されたままになっています。これが続くと現在の高齢世代への配慮にはなる一方で、マクロ経済スライドによる調整が現役世代への先送りとなりかねません。2024年は政府による5年に1度の公的年金の財政検証の年とされていますので、年金制度の負担と給付のバランスが今後どのように維持されていくのかを注視したいところです。

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