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 70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました(約7分で読めます)

2021/6/30 配信

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 少子高齢化により現役世代の人口が急速に減少していくなかで、経済活動を維持するためには働く意欲のある高年齢者がより活躍することが期待されています。高年齢者雇用安定法が改正され、2021年4月からは70歳までの就業機会の確保が企業の努力義務となりました。改正のポイントを確認しましょう。

  

■これまでの高年齢者雇用安定法

 高年齢者雇用安定法では、働く意欲のある高年齢者が現役世代の労働者と同じように活躍できる環境が整備されていて、65歳までの雇用を確保することが企業の義務とされています。具体的には、定年を60歳以上としなければならないことに加え、65歳未満としている事業主は次のいずれかを実施する必要があります。

(ア)65歳までの定年の引上げ

(イ)定年制の廃止

(ウ)65歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長(※子会社・関連会社等を含む))の導入

 

■高年齢者雇用安定法の改正

 今回の改正では、従来の65歳までの雇用確保の義務に加え、70歳までの就業機会を確保する措置として、次のいずれかを実施する努力義務が設けられました。

(ア)70歳までの定年の引き上げ

(イ)定年制の廃止

(ウ)70歳までの継続雇用制度(再雇用・勤務延長(※子会社・関連会社等を含み、それ以外の他の事業主によるものも含む))の導入

(エ)70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入

(オ)70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入

   a.事業主が自ら実施する社会貢献事業

   b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う

    社会貢献事業

 

 これまでの措置の延長に加え、働き方の多様化に応じるため、いままで働いてきた会社を退職して個人事業者として業務委託契約を結ぶなど、雇用によらない措置(創業支援等措置という。前記(エ)(オ)が該当)が新たに設けられています。この措置の導入にあたっては、労働者の過半数を代表する者などの同意が必要です。

 

 業務委託方式は働き方が自由になり、業務の裁量もしやすくなる反面、業務量過多などの負荷がかかる心配があります。厚生労働省が公表している「高年齢者就業確保措置の実施及び運用に関する指針」では、業務委託についてさまざまな配慮が求められています。たとえば、業務の内容、難易度、業務量、納期などを踏まえ、作業時間が過大とならないような配慮が求められています。

 

 また、社会貢献事業(前記(オ))とは、不特定多数の者の利益になることを目的とした事業であり、この事業に該当するかどうかは、事業の性質や内容などを踏まえて個別に判断されます。厚生労働省の資料によると、社会貢献事業に該当する例として次のものが想定されています。

 

・メーカーが自社商品を題材にした小学校への出前授業を行う事業において、定年等退職者が企画立案を行ったり、出張授業の講師を有償ボランティアとして務める

・希望する定年等退職者が会員となることができるNPO法人に、里山の維持・運営に関する事業を委託し、定年等退職者がそれらの事業に関する業務(植樹、ビジターセンターでのガイド等)に有償ボランティアとして携わる

(厚生労働省資料:高年齢者雇用安定法Q&A(高年齢者就業確保措置関係)から抜粋)

 

 創業支援等措置に基づき業務委託契約を交わす個人事業者や社会貢献事業を担う個人事業者(一人親方)などは、労働基準法上の労働者ではないため、原則として労災保険の加入対象にはなりませんが、仕事中に万一病気やけがをしたときに備えて労災保険に特別加入することができます。

 

 今回の改正による措置は、あくまでも努力義務であるため、労働者が働く意欲や能力があるかどうか、業務委託する価値があるかどうかなど、事業者は一定の基準で対象者を選別できます。そのため、長く働き続けたいと考える人は、選ばれる労働者になれるよう、常に向上心を持って自己研鑽することが必要です。年齢にかかわらず働きたい労働者と働いてもらいたい事業者双方のニーズが一致し、その数が増えるほど、社会や地域の活力になるといえるでしょう。

 

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