国崎先生の
ショートコラム

12月号(No.4)

食べたらシュッシュッ
~断水でもしっかり磨こう~

被災時には虫歯になる子どもがとても増えます。
大規模な地震が起きると断水するので、被災直後からしばらくは貴重なお水を歯磨きに使うことがためらわれ、お口の中を清潔にすることが難しくなります。

さらに道路が壊れて車が通れなくなり、流通に支障がでるため、今までのように食材を調達することができなくなり、食事の回数や時間が不規則になります。食事の支援にお菓子が届くようになると、親が子どもを静かにさせるためにお菓子を与えることもあり、いつでも何かを食べている「だらだら食」になりがちです。

災害時の備えに歯ブラシなどの口腔ケアグッズを入れていないという準備不足もあり、被災地では口腔ケアが十分にできず虫歯や歯周疾患で悩む人も少なくありません。また、高齢者はお口の中で繁殖した細菌が気管に入ることで肺炎(誤嚥性肺炎)になることもあります。過去の震災では、この誤嚥性肺炎で亡くなる方もいました。

虫歯予防のためには、できる限り水でうがいをします。水がない場合は、水をつけずにブラシだけで磨く、ガーゼで歯の汚れを拭く、キシリトール入りガムを噛むなどで工夫しましょう。あらかじめ、歯間ブラシ、液体歯磨きや歯磨きシートを準備しておくと安心です。水分をこまめに取り、唾液を多く出すようにすることも大切です。

乳歯が虫歯になると永久歯にも影響しますので断水時でも、歯磨きの生活習慣を可能なかぎり崩さないようにしましょう。