国崎先生の
ショートコラム

9月号(No.1)

子どもと常緑広葉樹
~楽しみと安全を育てよう~

皆さんの近くにどれだけ樹木がありますか?
自宅、道路、学校の施設、職場など周りにどれほどの樹木があるのか確認してみましょう。樹木はヒートアイランド現象を緩和するだけでなく、空気中の大気汚染物質を吸って、空気をきれいにする力があります。樹木が多く緑に囲まれていることは健康にも良いといえます。

樹木にはいろいろな種類がありますが、冬でも落葉しない常緑広葉樹には、延焼防止効果があり、関東大震災や阪神・淡路大震災でも効果について多く報告されています。街を炎が焼き尽くそうとしたとき、公園に植えられた樹林の密生した葉が、火の粉の飛散や放射熱を遮る盾となり延焼を食い止めてくれたのです。
他にも、倒壊した建物のがれきが道路に広がるのを防いだり、飛来落下物の直撃を防いでくれたりと被害の軽減に様々なところで貢献してくれています。

このように、樹木は様々な面で私たちの暮らしの安全を支えてくれています。子どもたちの未来が豊かで安全であるように、自宅や地域にたくさん増やしたいものです。

緑を増やすことを目的に、自治体や様々な団体が苗木の贈呈や植樹イベントを実施しています。例えば、人生の節目を記念して庭に植える苗木を無償配布する横浜市や、指定された場所(公園や街路)に指定された樹種を有料で植樹する事業を実施している京都市など、全国の市町村では様々な取り組みがなされています。まずはお住まいの地域でこのような事業があるかを確かめてみてはいかがでしょうか。
子どもと一緒に土や緑に触れながら、成長の喜びと暮らしの安全をともに高めていきましょう。