Episode.6 社会活動家

新社会人のみなさんへ

調子はどうですか?
働き出して半年近く、仕事のイロハを覚えるのに必死だった最初の数ヶ月が終わり、そろそろ会社や仕事に疑問も出てきている頃ではないかと思います。毎朝気持ちよく起きられていますか?つらくありませんか?
一年前の就活時期を思い起こすと遠くに来た感じになっているかと思います。就活の「勝ち組」がしんどい思いをしていたり、「負け組」が生き生き働いていたり、たった一年なのに、わからないものですね。
つらくなっている人は、何が原因ですか? 仕事が覚えられないこと?仕事の内容?上司や先輩との人間関係?そのすべて? 「あと○年」などと考え始めていますか?

昔は「石の上にも3年」などと言ったものですが、今は「幸せな環境は自分でつくろう」という感じでしょう。
今、あなたは幸せですか?今の自分に納得していますか? 私が気になるのはそれだけです。

私は就職しませんでした。「ホームレス支援」などという、今でもそうでしょうが、当時はほとんど誰も理解できないようなことに没頭し、大学院を中退して、その時点で30歳を超えていました。「ホームレス支援」などで食えるとは思えなかったし、実際まったく収入にならなかったので、ホームレスのおっちゃんたちと便利屋を立ち上げて、5年間、それで食べていました。
ひょんなことから発表した文章が話題になり、巻き込んでいるのか巻き込まれているのかよくわからないままに走り続け、気づいたら食べられるようになっていました。好きなことをやって食べていけるようになった――ラッキーだったとしか言いようがありません。

これが正解だと思ったことはありませんが、これが「私の正解」だったとは思ってきました。私の人生は偶然の積み重なりですが、ときどきの選択は、私にとって必然でした。自分にとって必然だった選択をしてきた結果、ラッキーなことに食べられるようになりました。もし食べられるようになっていなければ……後悔していたかな? そうは思えないんですよね。40歳近くまでたいした収入はありませんでしたが、後悔という感じはなかったですから。便利屋も楽しかった。

だから、結局は「納得感」かな、と思います。
未来はわからない。就活のときに今の自分を見通せなかったように、先のことはわからない。だから、そのときどきの選択を自分の必然にしたがって行い、その選択が「正解だった」と言えるようにがんばる。正解を選択することなんて、できません。行った選択が正解になるようにがんばれるだけ。その積み重ねが納得感を作るのではないかと思います。

先日、フランスに行ったとき、「『社会人』という日本語は訳せない」という話になりました。学校で学んでいるのも、会社で働いているのも「状態」にすぎない、「『社会人』などという『人』はいない」と。
学校を出ても……学びたくなれば、また学べばいい。3年がんばれば違った景色が見えてくるような気がするなら続ければいいし、いろんな分野を体験して視野を広げたければ、今とまったく違う環境に身を置いてみるのも楽しそう。
何があなたの正解か、何が「社会人」としての正解か、そんなことは私にはわかりません。私に言えるのは……あなたの選択が正解になるようにがんばって。その積み重ねが人生の納得感を作ると思います……と、それだけ。
あなたが、あなたの人生を「正解」にできますように! 健闘を祈ります。