Episode.1 経営者

新社会人のあなたへ

「若いからこそ与えられることがある」

新卒で会社に入ると、きっと「配属」が待っていることでしょう。このゴールデンウィーク明けに発表される会社もあるかもしれません。僕がいた会社がまさにそうでした。ちょうど10年前の今頃に配属式があって、その光景は今もしっかり覚えています。

僕は、新卒で広告代理店に入社しました。広告のこともよくわかってなかったので「なんでもやります。どこの配属でもかまいません」と話していました。するとヒョンなことから「コピーライター」に配属されました。抱いたのは、喜びよりも「コピーライターって総合職なの?」という戸惑いや、自分がやれるのかという不安です。

必死に勉強をしました。過去の広告を読み漁り、書きつづけました。しかしなかなか「いいコピー」を書けるようになりません。トレーナーにも「牧野は時間がかかりそうだな」と言われたことがあります。僕がコピーを書けないがために、上司や営業の人に迷惑をかけたことは一度や二度ではありません。

打ち合わせにいくのがとても怖かった。今日も、ハシにもボウにもかからないアイデアを出してスルーされるのか、幻滅されるかもしれない、と。僕ができることは、とにかくたくさん考えて、たくさんアイデアを出すことでした。いい質のものが出せないのだから数をこなすしかない。

自分の居場所をつくることに必死でした。それらは少しずつ実を結び、徐々に責任ある仕事をできるようになっていきました。そして6年経って、会社を退職し、独立しました。そして10年がたった今、100人ほどの会社の経営をし、控えめに言ってとても忙しく、最高に楽しく仕事をしています。
そんな僕から(おこがましいと思いつつ)、新社会人の方へ伝えたいポイントが二つあります。

ひとつは「何かを得たければ、何かを与えなければならない」という真理です。仕事はすべてGIVE&TAKEで成り立っています。これが10年働いた僕が得た一番シンプルで強い原理原則です。それは少し厳しい現実でもあります。

もう一つは「若い人だからこそ与えられることが必ずある」ということです。基本的には、経験の多い先輩のほうが「与えられるもの」は多いはずです。だけど、若い人には若いからこそ与えらるものがあります。例えば、最新のテクノロジーだったり、新しいブランドの情報だったり。先輩たちは財務諸表が読めるかもしれませんが、TikTokは知らないかもしれません。僕の時はFacebookに関するネタでは誰にも負けませんでした。

そう考えると、この社会の中で自分にできることは必ずあります。それを探すこと、行動をすること、自信を持つこと。それらを通過したら、きっと自分の居場所にたどり着くことができます。また、今の場所で見つからなかったら、転職することや、違う道を考えることも大事なことです。

みなさんの仕事が実を結び、その仕事が誰かを笑顔にし、社会がひとつずつよくなっていく。そういう希望を抱いてます。どうか無理をしすぎないように、がんばってください。それでは。
Contents
働き始めた新社会人のみなさんへ。
人生の先輩たちが当時の自分を振り返り、
未来を担うみなさんへエールを送ります。