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フレイルを知っていますか?(約5分で読めます)
2024/10/31配信
年配のかたから「ちょっと動くとすぐに疲れてしまう」「平らな所でつまずくことが多くなった」と聞いたらどう思いますか?
もう年だからとか、年のせいだから普通のこと、と気に留めずに流してしまっていませんか?
近年ではこのような状態を年齢のせいとはせずに、「フレイル」の状態にあると考えるようになっています。
■フレイルとは?
フレイルとは、「加齢により心身の活力(運動機能や認知機能、社会との繋がりなど)が低下した状態」のことを指します。若いかたには馴染みがない単語かもしれませんが、高齢者の医療や介護の現場などで使われるようになっています。
人の一生は、一般に「健康な状態 → 支援や介護が必要な状態 → 最期のときを迎える」のように推移しますが、支援や介護が必要な状態の一歩手前、健康と要支援・要介護の中間の状態がフレイルとされています。フレイルが進行すると転倒による打撲や骨折が起きやすくなり、行動が制限されてしまうことで要支援・要介護となるリスクが高まります。また、フレイルでは日常の生活能力が低下し、高ストレス状態に陥りやすくなるとされています。
■フレイルチェック
高齢者がフレイルの状態にあることを早期に発見できれば、介護の予防に繋がります。フレイルかどうかの簡易的なチェックとして、広く認知されているのが「指輪っかテスト」と「イレブン・チェック」です。
【指輪っかテスト】
1) 椅子に座るなどして地面に足を付けたまま、膝を90度に曲げる
2) 両手の親指と人差し指で1つの輪っか(指輪っか)を作る
3) 利き足ではないほうのふくらはぎのいちばん太い箇所を「指輪っか」で囲む
結果として、「囲めない」「ちょうど囲める」「隙間ができる」のいずれかに該当するはずです。「囲めない」「ちょうど囲める」であれば問題はありませんが、「隙間ができる」の場合は筋肉量が低下している状態にあると判断できるため、転倒や骨折に注意が必要となります。
【イレブン・チェック】
栄養(食・口腔)、運動、社会参加に関する11項目の質問に「はい」「いいえ」で回答することで、フレイルの兆候があるかどうかを診断します。
<チェックの例>
・「さきいか」「たくあん」くらいの固さの食品を普通に噛み切れますか
・日常生活において歩行または同等の身体活動を1日1時間以上実施していますか
■フレイルから健康な状態に戻すこともできる
もし、フレイルになっているとして、その後に必ず要支援・要介護になるわけではありません。フレイルであっても適度な運動や適切な食生活をすることで、元の健康な状態に戻すことができます。歩くときは少し歩幅を広くして歩いてみる、テレビを見ながらストレッチをしてみる、家族や友人などと外出する(家に閉じこもらない)、美味しく食べるために口腔ケアをするなど、日常のちょっとしたことがフレイル対策になります。フレイルを予防すること、フレイルを遅らせることが健康寿命を延ばすことに寄与するため、多くの自治体でフレイル対策が推奨されています。
高齢者の医療や介護にかかる社会保障費が大きく増加する中、フレイルを高齢者だけの問題と考えずに、社会全体でフレイルとその予防の取り組みに関心を持つことが大切なのではないでしょうか。
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