子どもの健康コラム 「縄跳び」を使って、親子で運動不足を解消! 子どもの健康コラム 「縄跳び」を使って、親子で運動不足を解消!

親世代とくらべて運動不足と耳にすることが多い、現代の子どもたち。親世代よりも遊ぶ場所が少なかったり、塾などの勉強時間の確保が優先されていることが原因として挙げられます。心身の健康にも影響を与える子どもの運動不足。これから成長期を迎える子どものために、いつも元気に過ごせる運動習慣を親子で実践しましょう。 親世代とくらべて運動不足と耳にすることが多い、現代の子どもたち。親世代よりも遊ぶ場所が少なかったり、塾などの勉強時間の確保が優先されていることが原因として挙げられます。心身の健康にも影響を与える子どもの運動不足。これから成長期を迎える子どものために、いつも元気に過ごせる運動習慣を親子で実践しましょう。

子どものあいだで2極化している体力 子どものあいだで2極化している体力

スポーツ庁の調査によると、部活動やスポーツクラブで運動をしている子/していない子の体力の差が広がってきていることが指摘されています。また、スポーツクラブや家族と遊ぶことで日常的に運動をしている子どもがいる一方で、1週間の運動時間が1時間に満たない子どももいます。

運動部・スポーツクラブ所属の有無別新体力テストの合計点 運動部・スポーツクラブ所属の有無別新体力テストの合計点

男女別体力テストグラフ 男子体力テストグラフ

女子体力テストグラフ

出典:平成29年度体力・運動能力調査(スポーツ庁) ※一部抜粋

クイズ

1週間のうち、「家の人と週に1回以上一緒に運動やスポーツをする」とこたえた小学生は、どれくらいの割合でしょうか?

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  • 15%
  • 31%
  • 95%

↓

こたえ「およそ31%」

文部科学省の調査によると、週に1回以上家の人と一緒に運動やスポーツをする子どもは、男子35.8%、女子27.0%。平均でおよそ31%となっています。また、家族と一緒に運動する頻度が体力テストの結果に影響しているというデータも出ています。運動不足を解消し、健康的な生活を送るためには、ふだんから家族で体を動かす習慣を身につけることが重要といえるでしょう。

家の人と一緒に運動やスポーツをする頻度と体力合計点との関連 家の人と一緒に運動やスポーツをする頻度と体力合計点との関連

家の人と一緒に運動やスポーツをする頻度と体力合計点に関するグラフ 家の人と一緒に運動やスポーツをする頻度と体力合計点に関するグラフ

家の人と一緒に運動やスポーツをする頻度と体力合計点に関するグラフ

出典:平成27年度全国体力・運動能力、運動習慣等調査 小学校児童の調査結果(文部科学省)

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大人も子どもも楽しめる「縄跳び」で親子コミュニケーション&体力アップ 大人も子どもも楽しめる「縄跳び」で親子コミュニケーション&体力アップ

親子で取り組めて、子どもの体力向上におすすめなのが、手軽にはじめられる「縄跳び」です。限られた時間でも、公園などスペースがある場所でいつでもどこでもはじめられます。また、縄跳びは、瞬発力や持久力などの能力を養うことができ、基礎体力を効果的にアップすることができます。コミュニケーションにも役立つ縄跳びで、楽しみながら親子の運動習慣を身につけましょう。

1.苦手な子どもも楽しく跳べる、縄跳びの基本を紹介 1.苦手な子どもも楽しく跳べる、縄跳びの基本を紹介

まずは比較的跳びやすい前跳び、後ろ跳び、あや跳びからはじめてみましょう。うまく跳ぶポイントは、「まっすぐ前を見る」「腰を曲げない」「足を閉じる」「つま先でジャンプしてつま先から着地」です。 まずは比較的跳びやすい前跳び、後ろ跳び、あや跳びからはじめてみましょう。うまく跳ぶポイントは、「まっすぐ前を見る」「腰を曲げない」「足を閉じる」「つま先でジャンプしてつま先から着地」です。

交互に跳ぶ まずは親子で交互に10回ずつ跳んでみましょう。「1、2、3」と回数を数えてあげることで、苦手な子どもも楽しく取り組むことができます。慣れてきたら、徐々に回数を増やしていきましょう。 交互に跳ぶ まずは親子で交互に10回ずつ跳んでみましょう。「1、2、3」と回数を数えてあげることで、苦手な子どもも楽しく取り組むことができます。慣れてきたら、徐々に回数を増やしていきましょう。

走り跳び 前跳びがうまくできるようになったら、走り跳びを取り入れることもおすすめです。競争したり、鬼ごっこをしたりすると、飽きずに長く続けられます。 走り跳び 前跳びがうまくできるようになったら、走り跳びを取り入れることもおすすめです。競争したり、鬼ごっこをしたりすると、飽きずに長く続けられます。

2.一緒に跳ぶと協調性もアップ! 2.一緒に跳ぶと協調性もアップ!

同じ縄で一緒に跳ぶことにも挑戦してみましょう。かけ声をあわせて、親子で一緒に跳ぶことで協調性をアップすることができると同時に、集中力も高めることができます。 同じ縄で一緒に跳ぶことにも挑戦してみましょう。かけ声をあわせて、親子で一緒に跳ぶことで協調性をアップすることができると同時に、集中力も高めることができます。

1本の縄を2人で跳ぶ 最初は肩を使ってゆっくりと縄を回す「肩まわし」で、2人で跳ぶ練習をします。慣れてきたら、肘を中心に腕をまわす「肘まわし」で徐々にリズムを早くしていきましょう。 1本の縄を2人で跳ぶ 最初は肩を使ってゆっくりと縄を回す「肩まわし」で、2人で跳ぶ練習をします。慣れてきたら、肘を中心に腕をまわす「肘まわし」で徐々にリズムを早くしていきましょう。

お互いの縄を持って横並びで跳ぶ 横向きに並んで跳ぶことにも挑戦してみましょう。大人の縄の片方を子どもが、子どもの片方の縄を大人が持って回します。 お互いの縄を持って横並びで跳ぶ 横向きに並んで跳ぶことにも挑戦してみましょう。大人の縄の片方を子どもが、子どもの片方の縄を大人が持って回します。

3.家族でジャンプ!みんなで遊べる大縄跳び 3.家族でジャンプ!みんなで遊べる大縄跳び

お休みの日に家族がそろったら、公園へ出かけて大縄跳びをしてみましょう。かけ声をかけながらみんなで息を合わせて跳ぶことで、家族に一体感が生まれ、自然とリズム感も身につきます。 お休みの日に家族がそろったら、公園へ出かけて大縄跳びをしてみましょう。かけ声をかけながらみんなで息を合わせて跳ぶことで、家族に一体感が生まれ、自然とリズム感も身につきます。

大縄跳びの基本練習 まず最初は、縄跳びを左右に大きく振り、それを跳ぶことからはじめます。少しずつ振り幅を変えながら、足元だけでリズムを合わせる練習をし、慣れてきたら、縄を大きく回してみましょう。 大縄跳びの基本練習 まず最初は、縄跳びを左右に大きく振り、それを跳ぶことからはじめます。少しずつ振り幅を変えながら、足元だけでリズムを合わせる練習をし、慣れてきたら、縄を大きく回してみましょう。

かぶり跳び・むかえ跳び 慣れてきたら、親がまわす縄に子どもが飛びこむなど、レベルをあげていきましょう。上から下に縄がまわる「かぶり跳び」で、まずは縄に入る動きを学び、次に下から上に縄がまわる「むかえ跳び」に挑戦してみましょう。 かぶり跳び・むかえ跳び 慣れてきたら、親がまわす縄に子どもが飛びこむなど、レベルをあげていきましょう。上から下に縄がまわる「かぶり跳び」で、まずは縄に入る動きを学び、次に下から上に縄がまわる「むかえ跳び」に挑戦してみましょう。

子どもの健やかな成長のために「縄跳び」を取り入れてみよう 子どもの健やかな成長のために「縄跳び」を取り入れてみよう

体力面だけではなく親子のコミュニケーションの幅も広がる縄跳び。どちらが長く跳べるか競争したり、徐々に難しい技に挑戦するなど、楽しみながら続けられるのも大きな魅力といえるでしょう。子どもの健康のために、手軽にはじめられる縄跳びを取り入れてみてはいかがでしょうか。

監修:松尾哲矢(まつお てつや)
立教大学コミュニティ福祉学部スポーツウエルネス学科教授。専攻はスポーツ社会学、スポーツプロモーション論。
1961年福岡県生まれ。九州大学大学院博士課程人間環境学府単位取得退学、博士(教育学)。東京都スポーツ振興審議会会長、日本レジャー・レクリエーション学会理事、日本スポーツ社会学会編集委員会委員、(一社)日本体育学会代議員、(公財)日本レクリエーション協会理事、(公財)日本スポーツ協会指導者育成委員会専門委員・国際交流専門委員会委員・「Sport Japan」編集部会副部会長などを歴任。 社会現象としてのスポーツに対して社会学的にアプローチし、戦後日本のスポーツ界における《場》の構造変動と文化的再生産の研究を主要な研究テーマとしている。また、こうした研究テーマから日本のスポーツ政策の動向、しょうがい者スポーツとコミュニティ、子どもの運動習慣づくりとコミュニティ、地域スポーツクラブとコミュニティ形成、生涯スポーツシステムの動向などを研究課題としている。著書に『子どもの体力・運動能力がアップする体つくり運動&トレ・ゲーム集』(ナツメ社 2016)等がある。

【参考文献】
・関西体育授業研究会(2016)クラスの絆がグッと深まる!「なわとび」絶対成功の指導BOOK(明治図書)
・粕尾将一(2018)はじめての前跳びからスペシャル技まで どの子も夢中になる「なわとび学習カード」(明治図書)