国崎先生の
ショートコラム

1月号(No.5)

魔法の手を使おう
~避難所で子どもと遊ぶコツ~

これまでに体験したことのない恐怖や不安を強く感じることで心が傷つくことがあります。とくに、子どもは自然災害が何かを知らないため、揺れの恐怖や被災後の変化に一層大きな不安を感じます。
さらに、いつもと違う親のうろたえる姿や泣き崩れる姿は、子どもの不安を増大させます。これからももっと怖いことが起きるかもしれないという不安を早期に解消してあげましょう。「もう大丈夫よ」「もうこれ以上怖いことは起きないからね」と安心させる声がけが大切です。
災害直後はなにかと忙しいものの、子どもは恐怖心から親と離れることを嫌がります。気持ちが落ち着くまでできるだけ子どもと一緒にいることを心がけしましょう。いつも食べているおやつや、おもちゃなど、災害時の持出品の中にその子の安心できるアイテムを忘れずにいれておきましょう。

また、学校などに通えない状況が続くと子どものストレスも大きくなります。しかしながら、多くの人が生活する避難所では子どもが遊ぶ場所を確保することは難しいでしょう。このとき、場所を取らずに遊ぶ方法があります。昔ながらのお手玉、あやとり、手遊び、指遊びなどです。
「おせんべい焼けたかな?」「いっぽんばしこちょこちょ」「茶つぼ」「ひげじいさん」「いとまき」など、日本には親から子へ受け継がれてきたたくさんの手遊び歌があります。子どもとスキンシップしながら、少しでも辛いことを忘れられる楽しい時間を過ごしましょう。